日光切断遺体事件、金銭目的で遺棄か 4人目逮捕、知人同士か

遺体の一部が入ったスーツケースとスポーツバッグが発見されたゴルフ場跡地の橋周辺=1月、日光市長畑

 栃木県日光市長畑のゴルフ場跡地で2022年1月、バラバラに切断された男性の遺体が見つかった事件で、県警は8日、死体遺棄と死体損壊の疑いで、新たに東京都足立区、代表社員の男(64)を逮捕した。同事件を巡って県警の逮捕は今回で4人目。捜査関係者によると、容疑者らは金銭目的で遺体を遺棄したとみられる。

 これまで逮捕されていたのは、同じ容疑で東京都大田区生まれ、住所不定、無職の男(75)と宇都宮市、無職の男(55)の両容疑者。死体遺棄の疑いで同市、自称アルバイト従業員の男(43)。県警によると、4人は知人という。

 逮捕容疑は、無職男(75)、代表社員の男(64)の両容疑者は共謀し20年2月ごろから同8月中旬ごろまでの間、日光市土沢の空き家に、スーツケースなどに入った遺体を隠すなどして遺棄した疑い。

 また無職男(55)が加わり、共謀して遺体の一部を工具で切りつけるなどして21年3月下旬まで空き家に隠し、自称アルバイト従業員の男(43)は22年1月19日までの間に、同市長畑のゴルフ場跡地に車で遺体を運ぶなどして遺棄、損壊した疑い。

 捜査関係者によると、無職男(75)が代表社員の男(64)に仕事の紹介を持ちかけ、代表社員の男(64)が20年2月ごろに遺体入りのスーツケースの処分を依頼したという。報酬を受け取った無職男(75)は別の事件で服役、無職男(75)を含めた容疑者らは処分に困り、空き家から遺体を移動したとみられる。

 県警は、無職男(75)が事件の首謀者とみて、遺体の身元の特定を急ぐとともに動機や経緯を調べている。

 遺体は22年1月19日、地元住民の通報を受けた今市署員が発見。ゴルフコース内の斜面にあったスーツケース内に胴体が、スポーツバッグ内にへそ下から膝上の下半身が入っていた。約400メートル離れたビニール袋からは頭部や両腕、片膝が見つかった。左脚の一部は見つかっていない。

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