LRTの下敷き想定で訓練 運転士やレスキュー隊員ら30人参加

歩行者が下敷きになったと見立てて訓練に臨む隊員たち=8日午前、宇都宮市下平出町

 26日開業の次世代型路面電車(LRT)の事故時の円滑な救助、消防活動に向け、運行会社の宇都宮ライトレールと宇都宮市消防局、芳賀地区広域行政事務組合消防本部は8日、連携協定を締結した。これに基づき同日、同市下平出町の車両基地でLRT車両と歩行者の交通事故を想定した救助訓練が行われた。

 訓練は宇都宮市と芳賀町境で歩行者2人が信号を無視して交差点を渡り、車両の下敷きになったと想定。運転士や両市町のレスキュー隊員ら約30人が、実際の車両で救助の手順を確認した。

 運転士は、乗客を避難誘導しながら車両基地の運転指令に無線連絡。通報を受けて駆け付けたレスキュー隊員が、車両をジャッキアップして歩行者に見立てた人形を救助した。感電対策で車両の電源を遮断すること、道路を通行する車を止めることも確認項目とした。

 市東消防署の山本孝則(やまもとたかのり)第1副署長は「市町の連携力を高めることができた。車との事故も想定されるので救助技術を向上させていきたい」、宇都宮ライトレールの高坂克也(こうさかかつや)運輸企画部長は「運行事業者だけでは対応できないことも発生する。定期的に訓練していく」と話した。

歩行者が下敷きになったと見立てて訓練に臨む隊員たち=8日午前、宇都宮市下平出町

© 株式会社下野新聞社