初V逃すも「悔いなし」 「和食の甲子園」で鵬学園 

地元の食材をふんだんに使った料理を披露した島田さん(左)と笹谷さん=金沢市の金沢未来のまち創造館

 ●金沢市主催、三重の高校2連覇 

 ●県勢唯一の出場 島田さん、笹谷さん「じわもん」で挑む

 金沢市主催の高校生和食料理コンテスト「全日本高校生WASHOKUグランプリ2023」(北國新聞社後援)は8日、金沢未来のまち創造館で決勝大会が行われた。県勢唯一の出場校となった鵬学園(七尾市)の2人は初優勝こそ逃したものの、「和食の甲子園」で全力を出し切り、「やりきった」「悔いはない」と笑顔。今回の経験を糧に、調理技術をさらに磨いていくことを誓った。

 今年のコンテストには全国19校49チームがエントリーし、1次の書類審査を通過した7チームが決勝に臨んだ。「だしを使った和食」のテーマに沿い、2人一組で70分の制限時間内に3食分を調理した。

 鵬学園からは調理科3年の島田羽鶴生(はづき)さん(18)=内灘町=と笹谷(ささや)理貴さん(17)=中能登町=が「じわもんちぃむ」として出場。チーム名の通り、2人は地元食材にこだわり、タイの釜飯や金沢名物ドジョウのかば焼きを卵で巻いた「どまき」など5品で構成する「じわもん御膳」で審査に挑んだが、前回優勝の三重県立相可(おうか)高の前に涙をのんだ。

 「日本料理 銭屋」主人で、審査委員長を務めた髙木慎一朗さんは、鵬学園の2人の料理について「予想以上のできだった」と評価した。一方で「作ってから試食までの時間を計算した献立にした方がよかった」など改善点も指摘した。

 笹谷さんは「できるだけのことはやりきった。洋食の料理人を目指しているので、盛り付けの技術を生かしていきたい」と話した。島田さんは「優勝できなくて残念だが、悔いはない。金沢で調理師として活躍できるように頑張りたい」と前を向いた。

 グランプリのチームには副賞としてニューヨーク研修が贈られた。鵬学園を含む残り6チームは審査員特別賞で、今後、市内料亭での実地研修と食事体験に招待される。

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