兵庫・家島諸島の海と砂浜、空から見ると… 手つかずの自然美が随所に 「不便なところが魅力です」

エメラルドグリーンの海、白い砂浜がまぶしい県立いえしま自然体験センター周辺=姫路市家島町西島(ドローンで撮影)

 まぶしいばかりに輝くエメラルドグリーン。南国かと思わせる透き通った海が一面に広がる。水中に目をこらせば、魚の姿も。深緑の原生林に白い砂浜。入り江周辺は、手つかずの自然美が随所に残る。

 家島諸島最大の島、西島の南東部にある県立いえしま自然体験センター(兵庫県姫路市家島町西島)。かつては「母と子の島」という名称の県立キャンプ場だったが、2007年、環境学習や海洋レジャーの拠点としてリニューアルオープンした。夏場はキャンプや海洋学習を体験する家族連れらでにぎわう。

 「不便なところがここの魅力です」。そう強調するのは同センター総務課長の加野勝行さん(48)。周辺は携帯電話がつながりにくく、移動手段は徒歩のみ。テントはもちろん、ロッジにもエアコンはない。

 加野さんは「都会に戻ると、普段、いかに恵まれた生活をしているか実感できるはず。ここで不便を楽しんでほしい」と話す。

 耳を澄ませば、聞こえてくるのは、海で遊ぶ子どもたちの歓声とセミの鳴き声。姫路港から船を乗り継ぐなどで1時間足らず。都会の喧噪(けんそう)を忘れさせてくれる「非日常」がそこにはあった。(辰巳直之、三島大一郎)

【兵庫県立いえしま自然体験センター】姫路港から定期船で約30分かけて坊勢(ぼうぜ)島に渡り、事前予約の船に乗り換えて約5分。さらに船着き場から山道を15分ほど歩くと、同センターの管理棟に着く。ロッジ29棟(定員計217人)と常設テント32張り(同156人)に宿泊できる。カヌーやカヤックといった海洋スポーツのほか、イカダ作りや地引き網を体験できる。施設を利用するには事前予約が必要。同センターTEL079.327.1508

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