あの日の災害「風化させない」 安全安心なまちへ、遺族ら誓い新た 兵庫県西・北部豪雨14年

犠牲者を悼み献花する遺族=9日午前、佐用町久崎

 2009年の兵庫県西・北部豪雨から14年となった9日、18人が死亡、2人が行方不明となった同県佐用町では、遺族や町関係者らが「復興ひろば」(同町久崎)に設けられた献花台に花を手向けた。遺族らは今なお消えない悲しみを抱えながらモニュメントに手を合わせ、防災への誓いを新たにした。

 14年前、同町では、接近した台風の影響で記録的な大雨を観測。8月9日夜は1時間に最大89ミリ、9日から10日にかけての24時間雨量は326.5ミリという、ともに過去最大の豪雨に見舞われ、河川が氾濫して甚大な被害が出た。

 この日の献花行事には約60人が参列し、慰霊や復興を願うモニュメントに白いキクを手向けた。

 庵逧典章町長は「誰もが再びこのような悲しい思いをすることのないよう、安全で安心できるまちづくりに努めたい」と決意を語った。

 兄一家の4人を亡くした男性(50)は「14年たったが、あの日の災害を風化させたくないという思いで献花した。今年も各地でいろんな災害が起きているが、兄たちが亡くなった佐用の災害を教訓に、各市町村が対策を進めてほしい」と話した。(真鍋 愛)

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