阪神・矢野前監督らが尼崎で野球教室 背番号「88」で登場し、小学生らに守備や走塁のコツ伝授

阪神タイガースの矢野燿大前監督が子どもらに野球を教えた野球教室の様子=尼崎市西長洲町1、ベイコム野球場

 プロ野球・阪神タイガースで昨季まで監督を務めた矢野燿大さん(54)らによる野球教室「さあ行こう! 次のステージへ」が、兵庫県尼崎市西長洲町1のベイコム野球場であった。同市内の少年野球計8チーム約140人が集まり、プロの技と心構えを学んだ。

 尼崎北ロータリークラブが60周年事業として実施した。矢野さんとともに阪神を率いた元コーチの井上一樹さん、元阪神選手の的場寛一さん、元女子プロ野球選手の小西美加さんも講師を務めた。守備と打撃、盗塁、キャッチボールを指導した。

 阪神のユニフォームに監督時代の背番号「88」を付けて登場した矢野さんは守備練習を担当し、ショートバウンドの捕球方法について教えた。「グラブを下から上に動かすことで、いろんな打球に対応できる」と手本を示しながら話し、子どもたちは真剣に聞き入った。練習中は「うまい!」「抜群や」「腰を低くして」と一人一人に声をかけ、激励していた。

 盗塁ではリードする時の立ち位置や足の運び方、キャッチボールではスナップの使い方などについて講師陣が丁寧に説明。子どもたちはアドバイスを守りながら熱心に練習した。

 練習後は講師陣への質問コーナー。「今年、阪神は優勝しますか」との問いに的場さんは「優勝するでしょ」と回答。「藤川球児さんの火の玉ストレートはどうやったら投げられますか」との質問には、現役時代、捕手として球を受けた矢野さんが「方法は分からんけど、手だけじゃなくて体全体で投げることが一つのポイント」などと返した。

 さらに「一番大切なことは思いっきりフルスイングすること」と矢野さん。「とにかく毎日続けること。数は少なくてもいい。しんどい時に素振り1本だけでもいいから続けると、絶対にうまくなる」と語りかけた。

 武庫之荘ボーイズのメンバー(11)は「腕を振らずにグラブを下から上に動かしてボールを捕ることなど、これからの試合に生かしたい」と笑顔を見せた。(村上貴浩)

© 株式会社神戸新聞社