今さら聞けない「ドライバーとアイアン、それぞれ何度が適正?」打ち出し角について教えて

【アマチュアSさんの“今さら聞けない”】
番手ごとの適正な打ち出し角を教えてください。また、打ち出し角を理想に近づけるためにはどうしたらよいでしょうか。

適正な打ち出し角はヘッドスピードによる

今回は「打ち出し角」について解説します

【たけちゃん'sアンサー】
理想的な打ち出し角はヘッドスピード(以下HS)によって変わります。例えばドライバーでHSが40m/s前後の方ですと、15~16度の打ち出し角が理想的といえます。HSがそれよりも遅ければ1~2度高く(17~18度)、逆に速ければ1~2度低く(13~14度)なると思っていただければ、おおよその自分の理想の打ち出し角が分かると思います。これは適正なスピン量が加わった時に、最も効率よく飛距離を出せる角度となります。

アイアンは止めるという要素も必要

アイアンの場合、飛距離はもちろんですが、グリーンに止めるという要素も必要になります。球が上がりすぎると飛距離をロスしますし、低すぎると球が止まらなくなります。例えば7番アイアンですと、こちらも適正なスピン量が加わることが前提ですが、34度のロフトで20度、30度のロフトで19度が、数値上の理想の打ち出し角となり、いわゆる“一番飛んで止まる”角度といえるでしょう。

私がこれまでに行ってきたアイアンのフィッティングデータを見ると、大多数のゴルファーがこれより大きい数字になる傾向があります。つまり打ち出し角が高くなりすぎているのです。

多くのゴルファーがダウンブローに打てていない

岩井千怜のアイアンショット(※画像は2023年アース・モンダミンカップ最終日)(撮影/大澤進二)

最大の理由はアイアンをダウンブローに打てていないことにあります。例えば、身長175cmでドライバーのHSが40m/sであれば、ヘッドの入射角は2、3度のダウン量が必要ですが、大半のゴルファーがこれに満たない。実際のロフトよりも寝た状態、例えば7番を使っているのに8番のロフトでインパクトしているので、飛距離をロスしてしまうのです。中にはアイアンをアッパーに打ってしまっている方もいる程で、必然的に打ち出し角は高くなります。

ドライバーは可変式の“カチャカチャ”などでロフトを変えれば、ある程度は調整可能ですが、アイアンはそういう訳にはいきません。

実際の打ち出し角の数値は弾道測定器などを使わなければ分かりませんが、周囲の上級者に比べて自分のアイアンの打ち出しが極端に高いと感じる方は、もともとロフトの立ったストロングロフトアイアンといわれるモデルを試すのもひとつの手。また、今のアイアンを使い続けるのであれば、ダウンブローに打つ練習をすべきかもしれません。

私はコーチではありませんが、ダウンブローで打つには左への体重移動を早める事が必要とされています。自分の診断だけでは分からないことも多いので、フィッティングやレッスンに行ってみるのもよいでしょう。

たけちゃんの1分動画解説

■ゴルフクラブABCとは
巷には様々なゴルフクラブがあふれ、自分にぴったりの一本を見つけるのは至難の業。そもそもクラブを選ぶにも難しい用語が多く、深く知ることを敬遠している人も多いのではないか。そこでクラブ選びに役立つ「基礎中の基礎=“ゴルフクラブのABC”」を、全国から“患者”が訪れるというすご腕クラブフィッターたけちゃんに分かりやすく教えてもらう。

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