【ミャンマー】「赤い傘」で抵抗の意志、民主化運動35周年[政治]

ミャンマーの最大都市ヤンゴン中心部で8日、民主化運動の象徴とされる1988年の大規模な反政府デモから35周年を記念し、抵抗の意志を示す赤色の傘を差す活動が展開された。実行したグループは「革命の炎はまだ燃えている」とのメッセージを発信。2021年2月のクーデターから2年半以上がたち、市内は表面上平穏となっている。

抵抗運動を行った団体はヤンゴン・ピープルズ・ストライキを名乗り、インターネット上で参加を呼びかけた。赤い傘にはミャンマー文字で「8」を描いた。

クーデターで実権を握った軍事政権は民主活動家を弾圧しており、ヤンゴン中心部で大規模なデモを行えば拘束される。軍政は当日、ヤンゴン中心部の見回りを強化していたが、監視の目を逃れて抵抗運動を実施したという。

国軍によって拘束されている民主派指導者アウンサンスーチー氏が率いた国民民主連盟(NLD)は同日、オンライン式典を行った。当時の抗議活動参加者や、民主派でつくる挙国一致政府(NUG)で大統領代行を務めるドゥワラシラー氏などの関係者が参加した。

ミャンマーでは88年に社会主義体制のネウィン独裁政権に対し学生らが民主化を求め、8月8日の大規模デモを象徴として「8888運動」と呼ばれる。同政権の崩壊後も国軍の政治関与が続いている。

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