富山商、延長で惜敗 甲子園初戦、鳥栖工に2-3

サヨナラ負けを喫し、悔しそうに引き揚げる富山商ナイン=甲子園球場

  ●好守連発、聖地沸かせた

 第105回全国高校野球選手権大会第4日は9日、甲子園球場で1回戦が行われ、第1試合で富山商が鳥栖工(佐賀)に今大会最長の延長十二回タイブレークの末、2―3で敗れた。夏は9年ぶり17度目出場の富山商と、春夏通じて初出場の鳥栖工の公立校対決。富山商は我慢比べの激闘で持ち前の堅守がほころび、無念のサヨナラ負けを喫した。

 富山県大会を無失策で勝ち上がった富山商。2―2で迎えた延長十二回タイブレークの無死一、二塁で、相手のバントを処理したエース上田海翔(かいと)(3年)の一塁への送球が乱れた。今夏初の失策で決勝点を許し、涙をのんだ。上田は4安打3失点、3奪三振、5四死球で完投。力投も打線の援護があと一つだった。

 二回に先頭の4番・福田敦士(2年)が右中間へ三塁打、6番・鶴田尚冴(しょうご)(同)の遊ゴロで生還して先制。延長十一回に捕逸で勝ち越したが、再度追い付かれ、十二回に力尽きた。

 失策で敗れるも好守が光る試合だった。二塁手の白木球二(3年)と上田がそれぞれグラブトスで魅せ、右翼手の秋田幹太(同)はサヨナラの危機を救うダイビングキャッチ。好プレーの連発で甲子園を沸かせた。

  ●いつも以上の力発揮

 富山商・前﨑秀和監督 接戦にしたくなかった。負けたのは監督の責任だ。先制点まではよかったが、2、3点目を取り切れず、(完投の上田を)何とか攻撃で援護してあげたかった。生徒たちはいつも以上の力を発揮し、勝たせてやれなかったのが残念。自分たちでゲームをつくっていける、見ていて楽しいチームだった。最後の失策。ああいうところで我慢できる人間になってほしい。

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