【記者体験ルポ】釜山&慶州の旅…絶景だった「東洋のナポリ」 ビルと海きらめく街

韓国第1号の公設海水浴場「松島海水浴場」(左奥)を見渡せる松島海上ケーブルカー=韓国釜山広域市西区

 大ヒットを記録したテレビドラマ「冬のソナタ」から20年。動画配信サービスでは韓国ドラマが再び人気を集め、日常生活には食やコスメなど「韓流」がより身近なものになっている。韓国観光公社が主催するメディア向けツアーに参加し、韓国第2の都市・釜山と、国内で最も多くの世界遺産を有する古都・慶州を訪問。お勧めの観光スポットやご当地グルメを紹介する。(取材協力・韓国観光公社)

 ■万博誘致に注力

 関西国際空港から1時間半。韓国南部にある人口約340万人の釜山広域市の金海国際空港に到着した。空港からバスに揺られ市中心部へと向かう。車窓からは山際にびっしりとそびえ立つ高層ビルや、山の斜面にひしめき合うカラフルな屋根の古い民家が目に飛び込んでくる。

 同市は今、2030年国際博覧会(万博)の誘致に注力。あちこちで都市開発を進め、新たな観光スポットが続々と誕生している。

 ■東洋のナポリ再興

 1913年にオープンした韓国第1号の公設海水浴場で、「東洋のナポリ」とも呼ばれる松島海水浴場。弧を描く全長800メートルの砂浜を悠々と見下ろし、海水浴場東と西の1.62キロ区間を往復する“海上散歩”を楽しめるのが松島海上ケーブルカー。床が透明なゴンドラに乗り込み、地上86メートルの高さから絶景を堪能した。

 同海水浴場は、60~70年代をピークに客足が減少したが、2017年に29年ぶりにケーブルカーを運行し、今や年間500万人以上が訪れるようになった。

 ■空中散歩

 釜山で今一番ホットなエリアが、釜山東部に位置するリゾート地・海雲台だ。ビーチ沿いを歩くと、林立する近代的な高層ビルや一流ホテルに圧倒されるが、近くには古い商店も並ぶ地元の台所、海雲台市場がある。

 目玉となるレジャースポットが、20年にオープンした海岸沿いの廃線鉄道を再開発した海雲台ブルーラインパーク。尾浦から松亭区間の4.5キロの観光列車「海辺列車」は全席海を向いていて、天気の良い日は対馬が見えるというが、この日はあいにくの曇り空で見えなかった。

 帰りは途中の駅から4人乗りのモノレール「スカイカプセル」に乗り換え。多くの爽やかカップルとすれ違う中、マスコミ関係者らと撮影に汗を流しつつ“空中散歩”を楽しんだ。

 記者にとって初めての韓国。首都ソウルを舞台にしたドラマ「梨泰院クラス」で“予習”をしていたが想像とは違った。釜山は、昔ながらの市場や住宅がある一方で、海を観光に生かす開発が進む近未来的な都市だった。

© 株式会社福井新聞社