誠心誠意、心を込めて作ることの大切さを学ぶ 大分西高校家庭部・食物部 【大分県】

週に一度、さまざまな料理を作る大分西高校家庭部・食物部。毎年40人ほどの部員が在籍し、1年から3年までの部員が混在した班で調理を行っている。顧問の小田原美穂教諭は「違う学年の生徒同士で料理を作ることで、先輩や後輩の垣根を超えて学ぶことは多い。お互いに教え合い、情報交流をしながら切磋琢磨(せっさたくま)してほしい」と、調理だけでなくコミュニケーション力の成長も期待し、指導している。部長の荒金千穂(2年)は「部の強みはチームワークの良さ。楽しく活動しながら、調理技術も高めたい」と話す。

年間の調理スケジュールはミーティングを行い、全員が意見を出して決める。毎週入れ替わる調理担当者が最終メニュー決定し、ギョーザやお好み焼きといったメニューからフォンダンショコラなどの菓子類まで幅広い料理を作る。麻生涼寧(3年)は、「家でも料理をすることはあるが、ここでは部員のみんなで作る楽しさ、協力する大切さを学んだ。この3年間で仲間と準備から調理工程までを考え、助け合うことができた」と話す。

大分名物の唐揚げを作り、試食した

昨年まではコロナ禍の影響を大きく受けた。調理後の試食ができず、作ったものを持ち帰るスタイルになった。「規制もあり生徒たちには辛い思いをさせたが、保護者の方が家で子どもたちと分け合って食べることが楽しみになったという話も聞いた。そんな違う喜びもあるのだと改めて感じることができた」(小田原教諭)

今年のスローガンは「誠心誠意」。楽しく調理をすることはもちろん、食べる人や食材に心を込めて作ることを全員で心掛けている。11月には、3年前に調理製菓部門で入賞した「高文連家庭専門部研究・作品コンクール」が待っている。アイデアと創意工夫を磨きながら、再び受賞する日を目指す。

1年から3年までが協力し、調理技術を磨いている

(塩月なつみ)

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