芳野連合会長が2期目続投へ 注目度アップ、賃上げ評価

連合の芳野友子会長

 連合初の女性会長として2021年に就任し、今年10月に任期満了を迎える芳野友子会長(57)が、続投する方向となったことが10日、関係者への取材で分かった。連合会長は2期4年以上務めるのが通例で、傘下の産業別労働組合(産別)幹部でつくる役員推薦委員会が、2期目も推薦する方針を固めた。

 関係者によると、連合の政策への注目度を高めたことや、今春闘で約30年ぶりとなる高水準の賃上げを達成したことなどが評価された。芳野氏は推薦を受けて立候補し、10月の定期大会で正式決定される見通しだ。役員推薦委は、日教組出身の清水秀行事務局長の続投も推薦する方針。

 連合の役員改選では、選挙戦による組織の混乱を避けるため、役員推薦委が事前に候補者の一本化を図るのが通例。芳野氏を巡っては、自民党幹部と頻繁に会食するなど「自民党に近い」とも取れる姿勢が一部の産別から批判されてきた。出身のミシンメーカー労組の委員長と会長職の兼務を問題視する声もあったが、他に有力な候補者がおらず、続投すべきだとの意見で一致したという。

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