注意!送迎バスなどの車に子どもを"置き去り" 日常に潜む危険に栃木県内の認定こども園の対策は?

 夏の車といえば注意しなければならないのが子どもの置き去りです。2021年7月には福岡県の保育園の送迎バスに置き去りにされた園児が熱中症で死亡する事件がありました。あれから2年。日常に潜む危険に県内のこども園ではどのように対応しているのか取材しました。

 宇都宮市陽東にある認定こども園さくらが丘では、約400人の園児のうち120人ほどが送迎バスを利用しています。バスの運転手を務める菊池寿美さんはこの道15年のベテランです。2年前の福岡県の事件について悲痛な面持ちで「ありえない」と話します。

 日本自動車連盟・JAFの実験によりますと、この時期、密閉された車の中では、ぐんぐんと気温が上昇していくのがわかります。もし、人が残っていたら大変なことになります。

 こちらの園では子どもたちが送迎バスを降りるときに細心の注意を払っています。まずは乗った時の人数と降りた人数が同じかどうか運転手がカウンターでチェックします。人数が合わなかった時にはくまなく園児を探します。そして、エンジンを切ると置き去り防止装置が作動し音声が流れます。バスの一番奥にあるボタンを押すと音声が止まります。このボタンを押すという動作があることで必然的にバスの中に園児が残っていないかチェックできるということです。

 宇都宮市のIT企業デジロウは県内の保育園などにこのような安全装置の設置を斡旋しています。こちらもデジロウが設置を手がけた園のひとつで6台のバスすべてに取り付けられています。国では送迎バスへの安全装置の設置をこの4月に義務化し、6月末までに可能な限り設置するよう呼びかけてきました。しかし、国の発表では6月末の時点で設置率は約55%。栃木県だけで見ると47.3%にとどまっています。

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