7月の熱中症搬送者、青森県内過去最多 連日の猛暑、冷感グッズ人気

店頭には暑さ対策グッズのコーナーが設置され、冷感スプレーなどの商品が並ぶ=4日、青森市のサンデー青森浜田店

 環境省と気象庁から「熱中症警戒アラート」が連日発表されるなど、青森県内で猛暑が続いている。7月に県内で熱中症の疑いで搬送された人数は325人と、2011年に統計を取り始めて以降最多となり、その約6割が65歳以上の高齢者だった。青森地方気象台によると、この暑さは津軽が15日まで、下北・三八上北は11日まで続くという。医療関係者は「天気予報などで気温を確認し、暑さを感じていなくても積極的に対策を」と注意を呼びかけている。

 県消防保安課によると、県内で7月に熱中症の疑いで搬送された325人のうち、206人が65歳以上の高齢者で、全体の約63%を占めた。続いて18歳以上65歳未満が89人、7歳以上18歳未満が27人、7歳未満が3人。消防庁によると、7月31日~8月6日の県内の搬送者数は速報値で218人、前年同期比171人増となっている。

 県立中央病院(青森市)救命救急センターの石澤義也センター長によると、搬送されてくる高齢者の多くは、厚着をしていたり、室内でクーラーをつけずに過ごしたりしているという。「高齢者は肌の感覚が鈍く、暑さを感じにくい。身近に高齢者がいる人は、水を飲んだり、クーラーをつけるよう声をかけるなどしてほしい」と話す。

 また、冷感グッズの活用も熱中症対策の一つだという。首に巻いて体を冷やすリングなどは「首は血管が体の表面近くを通っている。そこを冷やすことができれば、熱中症対策として理にかなっている」と説明した。

 連日、猛暑が続く中、ホームセンターではクーラーや扇風機などの電化製品に加え、首に巻くリングや冷感スプレーなどの商品の売れ行きが好調だという。青森市のサンデー青森浜田店の三上儀峰さん(43)は「熱中症対策グッズに関する問い合わせが多い。売れ方も昨年と比べて圧倒的」と話す。

 9日の県内は弘前や八戸など10地点で今年最高気温を記録。10日も熱中症警戒アラートが発表されている。気象庁などは▽水分を取る▽エアコンを適切に使用する▽屋外での活動を控える-などの対策を呼びかけている。

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