ラムネのガラス瓶、目と耳で夏の涼を演出 神戸・長田で生産ピーク

飲料が詰められ、検品されるガラス瓶のラムネ=神戸市長田区菅原通1

 「立秋」を過ぎても、厳しい残暑が続く。神戸市長田区の「兵庫鉱泉所」では、昔ながらの瓶詰めラムネの生産が最盛期を迎えている。飲料を注がれて汗をかくガラス瓶が、夏の涼を感じさせる。

 同社は創業71年。ラムネのほか、サイダーや神戸のソウルドリンクとも言われる「アップル(みかん水)」などの清涼飲料水を製造している。瓶は回収し、リサイクルしている。

 ラムネは水と上白糖、酸味料、香料のみで造る。年間15万本を生産し、梅雨明けからお盆頃までが最も忙しいという。長田区と兵庫区を中心に、神戸市内の飲食店や銭湯に出荷される。

 近年は海外でも人気といい、代表の秋田健次さん(66)は「俳句の季語にもなるくらい夏の風情がある飲み物。ビー玉の音を聞きながら日本の文化を味わってほしい」と話していた。(風斗雅博)

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