千葉・柏市が中学「制服バンク」 就学援助の小6へ無償提供

千葉県柏市のクリーニング店に持ち込まれる制服=4月(柏市教委提供)

 千葉県柏市教育委員会は、市立中の卒業生から不要になった制服を譲ってもらい、就学援助の対象家庭に無償提供する「制服バンク」を立ち上げた。提供されるのは、翌年度に中学へ進む小学6年生。市教委の担当者は「国連が掲げる、持続可能な開発目標(SDGs)の理念を踏まえた仲介。物価高騰などで困窮する子育て世帯の救いになれば」としている。

 制服を譲りたい卒業生は、校名や制服のサイズ、汚れなどの情報を市教委の申請フォームに入力し、事業に協力するクリーニング店へ持ち込む。就学援助の世帯は秋以降、申請フォームで応募。市教委によるマッチングが成立すれば、制服をクリーニング店で受け取る。提供した卒業生には図書カード千円分が進呈される。

 市教委学校教育課の野本佳奈さんによると、これまでは一部のPTAがバザーを開き、制服を安価で売買する機会はあった。だが、経済的に苦しい家庭が必ずしも購入できるとは限らない。そのため、市教委が全ての市立中21校を対象に、マッチングに乗り出すことにした。

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