浪人生、不利益扱い「違法」 順天堂大に賠償命令

東京地裁などが入る裁判所合同庁舎=東京・霞が関

 順天堂大(東京)の医学部不正入試問題を巡り、不合格になった男性が浪人生だったことを理由に差別を受けたとして、大学側に約5800万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、東京地裁は10日、浪人年数で不利益な扱いをしたと認定し、約180万円の支払いを命じた。

 関根澄子裁判長は、募集要項には合否判定で浪人年数を考慮するとの記載がないのに、一律に厳しい基準を用いたとし「合理的な理由があると認めるのは困難で違法」と指摘した。

 また問題発覚後、大学側が2018年12月の記者会見で男性を不合格とした理由を「浪人年数に加え、特殊な事情があった」と述べたのは、侮辱行為に当たるとした。

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