廃棄近い食品を格安販売 クラダシ、売上高40%増

クラダシの販売の仕組み

 「食品ロス削減」を掲げ、廃棄が近い食品を格安で販売するクラダシが成長している。流通業界で続く商習慣に疑問を投げかけ、賞味期限が1週間でも残っていれば仕入れるのが特徴だ。国連の持続可能な開発目標(SDGs)の浸透も追い風に、10日発表した2023年6月期決算は売上高が前期比40.3%増の29億円となった。

 クラダシは14年創業。23年6月30日には東京証券取引所のグロース市場に上場した。関藤竜也社長は「社会課題をボランティアではなく、ビジネス展開させることで経済を循環させながら改善を目指す」と意気込む。

 農林水産省の推計によると、21年度の食品ロスは前年度比0.2%増の523万トンだった。製造日から賞味期限までを3等分し、最初の3分の1を超えると小売事業者に納品できない商習慣などが背景にある。

 クラダシは仕入れ先がマルハニチロやカゴメなど1400社を超え、インターネットの通販サイトの会員は47万人を突破した。23年6月期の純損益は1億6千万円の赤字(前期は8千万円の赤字)だった。

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