スーパー戦隊シリーズ『暴太郎戦隊ドンブラザーズ』（テレビ朝日系）で主演を務めて注目を浴びる樋口幸平と、男女7人組ダンス＆ボーカルグループ「GENIC」のメンバーであり、俳優としてさまざまな作品にも出演する増子敦貴がW主演を務めるドラマ『体感予報』が、MBSドラマ枠「ドラマシャワー」にて8月10日から放送される（毎週木曜深夜放送）。
「BLアワード2023」コミック部門1位を獲得した人気漫画を原作に、爽やかイケメン気象予報士として人気の瀬ヶ崎瑞貴（樋口）と、そんな瀬ヶ崎の言いなりの売れないエロ漫画家・棚田葉（増子）との恋物語が描かれる。
刺激的なシーンも多い本作を、二人はどのように受け止め、どんなふうに演じていったのか。今回の共演前から面識があり、現場でも息がぴったりだったという仲良しな二人の雰囲気も感じながら、インタビューを読んでみてほしい。
「キスシーンとかもあるから、もしかすると知ってるからやりづらいのかなって」
――お二人は本作での共演前から面識があったそうですが、お互いが相手役だと知ったときはどんな印象がありましたか。
樋口：最初に聞いたときは、キスシーンとかもあるから、もしかすると知ってるからやりづらいのかなって、複雑な感情がありました。
けど、現場に入ったら全くそんなことなくて。むしろ、この『体感予報』という作品において、葉はあっちゃんにぴったりの役柄だったと思いました。（撮影を終えた）今となっては、本当に一緒にやれて良かったと思っています。
増子：最初はすごくびっくりしましたけど、幸平は以前出ていた作品（『暴太郎戦隊ドンブラザーズ』テレビ朝日系）で1年間、主演を務めていたから、頼りがいのある存在だなと感じていました。だから不安は一切なかったです。
クランクインしてからも本当に仲良く撮影ができたので、笑顔が溢れる楽しい現場になりました。
――お互いを見ていて、役柄と本人が重なると思うところはありましたか。
増子：僕の感覚ですけど、撮影期間中、幸平はカメラが回っていなくても、現場ではわりと瑞貴の状態でいてくれた気がしていて。「幸平ってプライベートでもこんな感じかな？」って思っちゃいました（笑）。
――どんなところが？
増子：ちょっとSっ気があるというか。この感じがめちゃくちゃ好きな人いるだろうなって。
樋口：みんなにそういう態度なわけじゃないよ（笑）。
増子：そうなの？ 俺だったから？
樋口：あっちゃんにだから（笑）。
増子：なるほど。けど、他にもいい意味で瑞貴と重なる点が多くて、現場でみんなを引っ張ってくれるとか。
――樋口さんは、そこを意識してやっていたのですか。
樋口：いえいえ、全く（笑）。普段と変わらない感じで楽しくやっていただけです。Sっ気というか、みんながあっちゃんをいじっていたというか。ヘアメイクさん、衣装さんも一緒にみんなでワイワイ話していると、気づくと僕もいじられていて。
二人ともいじるし、いじられるしって感じだったので、そういうときに瑞貴っぽい要素が出てたのかな（笑）。だから意識したってことはないです。
――ご自身として瑞貴と似ていると感じる部分はありますか。
樋口：あります。けどSっ気ではないです（笑）。僕はいじるのも、いじられるのも好きなのでどっちの場合もあるんですけど、いじるときはきわどいところを狙って。
増子：それで言うと、幸平は関西人（兵庫県出身）ということもあるからか、面白いんです。ワードチョイスもいいし、ツッコミも上手い。僕は普段からボケ担当なので、それも良かったんだと思います。あと1ヶ月ぐらい一緒に撮影をしていたらコンビを組んでたかも（笑）。
樋口：それはないですけど（笑）。
増子：あははは（笑）。
樋口：だからSっ気ではなく、似てるなと思うのは恋愛面とかです。僕も同じような経験があるなって。瑞貴のちょっと素直になれないところとか、相手はそんなつもりがなく言った言葉に傷ついて、嫉妬をしたりとか。
たぶん、僕に限らずそういう想いはみんなしたとことあるとは思いますけど。そんなふうに重なる部分もあったので、キャラクターとしては比較的やりやすかったです。
「僕、意外と鈍感なんです」
――樋口さんから見て、増子さんと葉が重なる部分はありますか。
樋口：言動とか、立ち振る舞いとかですかね。あどけないところとか、ちょっとおどおどしたりするときの感じとかは葉と重なる気がします。
性格面は、葉はあんまりしゃべらないし、天然だけど笑いのセンスがあるわけではなく、あっちゃんは天然だけど笑いのセンスはあるから、そこは違いますね。
あとは、葉のことを嫌いになる人っていないと思うんです。学生時代に仲間外れにされていたエピソードが出てきますけど、葉のことをきちんと知ったらそうはならないと思うし。そういうところは似てるところだと思いました。
――増子さんは自分と葉が重なると感じたところはありましたか。
増子：どうなんでしょう。やっぱり撮影期間は葉として生きていたいっていう想いもあったから、僕が気づいていなかっただけで、他の人から見ると重なる部分も垣間見えたのかなとは思います。あと、僕、意外と鈍感なんです。
樋口：いや、意外とじゃないよ（笑）。
――周囲にいるスタッフさんから笑い声が聞こえていますが（笑）。
増子：うそ？ 鈍感かな？
樋口：うん、みんな思ってると思う（笑）。
増子：勘はいいって言われるんだけどな。
樋口：ああ、それはあるかも。確かに、勘はいいかも。雰囲気的に「こんなこと絶対にわかってないだろうな」と思われがちだけど、意外とわかっていたり、考えてるなって感じることが多い。「あっ、すごいな」って思う瞬間もあるし。
そこは今回、一緒にお芝居をしてみて初めて感じました。プライベートでの付き合いではわからない部分でした。
増子：あははは（笑）。
樋口：今、そんな笑うところじゃないよ（笑）。だから、そういうところだよ。
――（笑）。具体的に、増子さんの勘がいいと思ったのはどんなときですか。
樋口：お芝居でもそうなんですけど、話しているときの目の付け所とか。僕はもともとお笑いが大好きだから、周囲の面白いところがわりと目につくんですけど、あっちゃんもそこに気づいてたり。僕は好きで目がいってますけど、あっちゃんは頭の回転がはやいんだろうなって。
――では、逆に鈍感だなと思うところは？
樋口：ここまでのやり取り全部じゃないですか（笑）。鈍感というか、天然というか。
増子：なるほどね。
樋口：この「なるほどね」とか（笑）。
増子：僕が思っていた鈍感は、好きっていう気持ちを伝えられているのにそれを認識しなさそうなところだったんですけど。僕もそういう感じがある気がしているんですよね。
行為に気づいてはいるんですけど、そこから考えすぎたゆえに、相手が思っているのとは違う受け取り方をしてしまうとか。
樋口：それは誰かに告白されて、みたいなこと？
増子：そう。そういう節があるのかなって思う。
ラブシーンは「皆さんが『美しく撮りたい』とおっしゃっていた」
――本作のストーリーに関してはどんな印象を持ちましたか。リアルさを感じることもありましたか。
樋口：瑞貴は気象予報士でテレビに出ている人ですが、そういう人にオンとオフのときで違いがあるというところは、あるなって思いました。例えば、バラエティ番組でにぎやかな人がオフのときだとすごく静かとか（笑）。
増子：それはあるあるだよね（笑）。僕はリアルさよりも想像が掻き立てられるというか。気象予報士と売れない漫画家のラブストーリーって、見たことのない設定じゃないですか。
だからこそ原作を読んでいても面白かったし、この世界観にこっそり自分も入って覗いているような感覚になれるのが、魅力の一つだと思います。観ている方にもドラマの中に入った気分で楽しんでほしいです。
――ラブシーンも多い作品となりますが、脚本を読ませていただいたところ、わりと細かく描写がされていたので、それを再現するのは難しかったのでは？と感じました。
樋口：そこはすべてが台本通りではないというか。現場で、スタッフさんたちと一緒につくっていく部分の方が多かったと思います。実際にやってみながら原作に一番近いのはどれかとか、動きやすいのはどれかとかを決めていきました。
何より、皆さんが「美しく撮りたい」とおっしゃっていたので、そうなるように考えながらつくっていきました。とにかく僕らは監督とコミュニケーションを取りながら演じていきました。
増子：僕も台本を読んだときは、すごく細かい動きまで描かれているなという印象は持ったんですけど、結果的には現場で試行錯誤をしながら作っていった感覚が強いです。
樋口：今回は監督が3人いらっしゃったので、監督によってちょっとずつ違う部分はありましたが、本当に皆さん、オープニングもエンディングも含めてきれいに撮っていただいて、素敵な世界に仕上げてくださったと思います。
――最後、視聴者の方へ「ここに注目してほしい」という部分を教えてください。
増子：ラブシーンはもちろんなんですけど、僕は結構、瑞貴と葉が出会った回想シーンが好きなんですよね。
樋口：いいよね～。
増子：二人の馴れ初めが描かれていて、 今の二人には見れない表情が見えるのも面白いです。
樋口：僕も回想シーンがいいなって思います。
――個人的に注目してほしいところは？
樋口：葉のかわいさ。これは魅力ですね。あとは、瑞貴のオンとオフの姿って葉からの目線で描かれているので、皆さんには自分が葉になったと思って観ていただきたいです。
テレビに出ている瑞貴の、葉にしか見せない姿に萌えると思ったので、そこは僕もセクシーに、今、自分が出せる魅力を最大限に出せるように頑張りましたし、そうしやすい環境をスタッフの皆さんが作ってくださいました。
衣装、メイク、そういうものも含めて、色気が見えるように撮ってくださったので、そこは視聴者の方も「自分にしか見せてない部分だ」と思って観てくださると、より楽しめるんじゃないかと思います。
＊
写真撮影の際には、見つめ合ったり、顔を寄せあったりするシチュエーションも、こちらの要望に迷いなく応じてくださった樋口さんと増子さん。キュンとする姿や表情をたくさん見せてくださいました。
そんなお二人が演じた本作ですから、キュン度が高めなのは間違いなさそうです！ 増子さんの言うように「観ている方にもドラマの中に入った気分で」、二人の恋模様を堪能してほしいです。
作品紹介
ドラマ『体感予報』（全8話）
2023年8月10日より 毎週木曜 深夜1:29（初回は1:34～）よりMBS、他にて放送
「TVer」「MBS動画イズム」で見逃し配信1週間あり
（Medery./ 瀧本 幸恵）
