ロシア軍、ハリコフ州へ攻勢 ウクライナ、一部住民退避

破壊された水力発電所=10日、ウクライナ・ハリコフ州(ゲッティ=共同)

 ロシア国防省は10日、ウクライナ東部ハリコフ州クピャンスク方面で攻勢を続け、前線で優位を確保したと発表した。タス通信によるとハリコフ州政府は同日、クピャンスク周辺計37地区の住民を安全な場所に退避させる決定をした。

 ロシアはウクライナ軍が大規模反攻を開始した前後からクピャンスクへの攻撃を強めている。クピャンスクは州都ハリコフや同州イジュムにつながる幹線道路が集まる。

 ロシア側には、ウクライナ軍の反撃に遭い昨年9月に撤退を余儀なくされたハリコフ州への攻勢を再び強化し、同州に隣接するロシア西部ベルゴロド州への越境攻撃を阻止する狙いがある。

 ロシア国防省のコナシェンコフ報道官は10日の戦況説明で、クピャンスク方面で過去24時間にウクライナ軍の7回の攻撃を撃退し、装甲車2両などを破壊したと述べた。東部ドネツク州方面では、17回の攻撃を撃退して290人以上を戦闘不能にしたと説明した。

 10日付のロシア紙イズベスチヤは「アブデーエフカ制圧は簡単ではないが、ゴールは見えてきた」とのロシア軍兵士の話を伝えた。

© 一般社団法人共同通信社