平安貴族の暮らしってどんなの? 京都・宇治の源氏物語ミュージアムで企画展

屏風絵などを通し、現代とは異なる貴族の暮らしを学ぶことができる企画展「源氏ワンダーランド」(宇治市宇治・源氏物語ミュージアム)

 現代人には少し不思議に感じる平安時代の貴族の暮らしをテーマにした企画展「源氏ワンダーランド」が、京都府宇治市宇治の源氏物語ミュージアムが開かれている。源氏物語の場面を描いた屏風(びょうぶ)など絵画史料を通し、当時の生活様式や習慣を紹介している。

 夏休みを迎える子どもらに気軽に古典に親しんでもらうことを狙いにした恒例の企画で、新型コロナウイルス禍の影響で3年ぶりに催した。江戸時代に制作された屏風や画帖など21点を並べた。

 「澪標(みおつくし)」と「夕顔」の巻を描いた屏風には牛車に乗った光源氏の姿などが見られ、解説文でおしろいを塗った顔や女性の長い黒髪、お歯黒、引き眉などを説明している。

 名場面を集めた「源氏物語図屏風」では楽器を演奏したり舞を披露したりする様子が描かれ、貴族の教養として和歌や漢詩、音楽があったことが分かる。

 土佐光則作とされる画帖「源氏絵鑑(かがみ)帖」や源氏の代表的な注釈書「湖月抄」などの関連史料もそろえている。

 坪内淳仁学芸員は「肩肘張らず、絵を見ることを楽しんでほしい。そこから感じた疑問を通じて、源氏物語の世界を広げてほしい」と話している。

 9月10日まで。8月22日に一部を展示替えする。月曜休館。要入館料。

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