対ニジェール、部隊動員を要請 西アフリカ共同体が決議

西アフリカ諸国経済共同体(ECOWAS)の会合のために集まった各国首脳=10日、ナイジェリア・アブジャ(AP=共同)

 【ナイロビ共同】クーデターが起きたニジェール情勢を巡り、西アフリカ諸国経済共同体(ECOWAS)は10日、ナイジェリアの首都アブジャで緊急首脳会議を開いた。軍事介入の可能性に言及した上で、各国軍幹部に対し早急な部隊動員を求める決議を採択した。欧米メディアが伝えた。

 欧米諸国やECOWASはニジェールのバズム大統領への権力返還を求めるが、軍事政権側は拒否している。ECOWASは軍事介入の即時決定を見送ったものの、可能性をちらつかせることで、軍事政権を主導するチアニ将軍らを揺さぶる狙いがありそうだ。

 ECOWAS議長を務めるナイジェリアのティヌブ大統領は会議後に「平和的な解決を望む」と強調する一方で「最終手段としての軍事介入を含め、あらゆる選択肢を排除しない」と語った。

 AP通信は西側外交筋の話として、ニジェール軍事政権幹部が米国務省のヌランド副長官代行らと今月会談した際、軍事介入があれば拘束中のバズム氏を殺害すると警告したと伝えた。

© 一般社団法人共同通信社