一般道で時速160キロ超は過失か? 遺族が危険運転致死罪を求める

 今年2月14日、宇都宮市内の新4号国道でオートバイの佐々木一匡さんが時速160キロを超える速度で走行していた乗用車に追突されて死亡しました。乗用車を運転していた20歳の男に問われている罪は過失運転致死。一般道路で160キロの速度は過失なのか。佐々木さんの妻の多恵子さんが検察に対しより刑の重い危険運転致死の罪を求めて活動しています。

 検察は直線道路を追突するまでまっすぐ走行しているため制御することが困難な高速度には当たらないとして「危険運転致死罪」の適用を見送ったといいます。法定速度の60キロを100キロ以上も上回る速度は「過失」と言えるのか。多恵子さん「明らかに160キロ出すまでアクセルを踏み続けたというのは加害者の意思であって過失ですというのはとても納得がいかない」

 多恵子さんは過失運転致死罪からより刑の重い危険運転致死罪に問うことを宇都宮地方検察庁などに求めるため6月からインターネット上で署名活動を始めるとともに、活動の場を街頭にも広げました。

 今年6月26日に宇都宮地検に危険運転致死罪の適用を求める要望書とインターネットや街頭で集まった約5万5千に上る署名を提出しました。また事故の直前、被告の男の車と知人2人のオートバイ2台がカーチェイスを繰り返していたことも分かっています。要望書では共同危険行為を繰り返しながら走行したとする罪を加えるよう求めています。

 高速走行による交通事故で死亡した全国の被害者遺族が集まり危険運転致死傷罪の運用改善を求める「高速暴走・危険運転被害者の会」が7月立ち上がりました。多恵子さんは会の共同代表を務めます。多恵子さん「危険運転致死傷罪がきちんと適用できるような世の中になってもらいたいというのが全て。裁判できちんと裁いてもらえる安心した世の中になればいいなと思う」

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