県内初、駅と郵便局が一つに さくらのJR蒲須坂駅 2025年春頃から

駅の機能が入った蒲須坂駅郵便局(仮称)の外観イメージ(日本郵便関東支社提供)

 日本郵便関東支社とJR東日本大宮支社は10日、無人駅のJR宇都宮線蒲須坂駅(さくら市)で、2025年春頃から、郵便局と駅の窓口業務の一体運営を始めると発表した。老朽化した駅舎の建て替えをきっかけとした機能連携で、県内で初めて。全国では千葉県のJR内房線江見駅と同安房勝山駅に続く3例目となる。

 両支社によると、JR東日本が日本郵便に駅窓口業務の一部を委託する形をとる。駅の地域拠点化による周辺の利便性向上と地域活性化を狙う。

 現在は蒲須坂駅から約200メートルの位置に蒲須坂郵便局がある。今後、蒲須坂駅舎を解体し、敷地内に郵便局を移設、新築。新たな「蒲須坂駅郵便局(仮称)」内に駅機能を導入する。工事の開始時期などは計画中という。

 局員が通常の郵便や金融の窓口業務に加え、乗車券の精算や列車の発車時刻、運賃の案内業務などを行う。従来通り、乗車券や定期券の販売は行わず、交通IC系カード「Suica(スイカ)」のチャージ機を設置する見通し。人身事故など非常時の対応は未定という。

 JR東日本の担当者は「郵便局と駅の機能をワンストップで提供することで双方の価値を高め、地域の利便性を向上させたい」としている。

 日本郵便関東支社とJR東日本大宮支社は2018年6月、郵便局と駅の窓口業務の一体化を視野に入れた協定を締結している。

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