PRカーでそのぎ茶販売 長崎・東彼杵町が実証事業 福岡、佐賀など訪問

旅行者にそのぎ茶をPRする町関係者(右)=福岡市、天神中央公園

 長崎県東彼東彼杵町は、移動PR車を活用したそのぎ茶の販売や知名度アップを図る実証事業を長崎、佐賀、福岡の3県で実施した。九州大の産学官民連携セミナー「地域政策デザインスクール」の社会人や大学生の受講生6人が町に提言したアイデアを試行した。
 そのぎ茶は全国茶品評会の蒸し製玉緑茶部門で5回、日本一を獲得するなど品質の評価は高い。一方で、受講生が昨年11月に福岡市で約160人に聞き取ったところ、九州の知名度は八女、嬉野、知覧に続く4位。これを踏まえ、3月の発表会で「おでかけそのぎ号」を導入して機動力を生かし、PRを強化することでファンづくりに取り組むよう提案していた。
 実証事業は3~7日に実施。「東彼杵ひとこともの公社」のキッチンカーと従業員、同町職員らが長崎市、西海市と佐賀県基山町、福岡市を訪れた。
 5日は福岡市中央区の天神中央公園にキッチンカーを止めてPR。セミナー受講生もアンケート回収などを手伝った。そのぎ茶を販売したほか、氷水で入れた蒸し製玉緑茶や4種類のほうじ茶をふるまった。そのぎ茶の愛飲者に町の情報を提供する特別町民制度も説明した。
 冷茶を飲み比べた米カリフォルニア州の大学生、鈴木桃子さん(18)は「日本茶も食事に合わせ、種類を選べることが分かり新鮮だった。海が見える茶畑も一度見てみたい」と話した。町の担当者は「飲んでもらえれば味は納得してもらえた。消費者の声などを踏まえ、今後の事業を検討したい」と話した。

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