伊藤忠商事<8001>、大建工業<7905>をTOBで子会社化

伊藤忠商事の本社(東京都港区)

伊藤忠商事は10日、住宅資材大手の大建工業に対して完全子会社化を目的にTOB(株式公開買い付け)を実施すると発表した。伊藤忠は大建工業株式の36.34%を持つ筆頭株主。買付代金は最大497億8976万円。大建工業はTOBに賛同意見を表明した。

大建工業は国内の住宅市場が縮小に向かう中、非住宅事業や北米事業の拡大を課題としており、総合商社のネットワークを活用して新市場開拓を推し進める。伊藤忠は大建工業の経営への関与を強め、グループの収益力向上につなげる。TOBが成立すれば、大建工業は東証プライム市場への上場が廃止となる。

買付主体は伊藤忠が設立したBPインベストメント(東京都港区)。大建工業株の買付価格は1株につき3000円で、TOB公表前日の終値2337円に28.37%のプレミアムを加えた。買付予定数は1659万6588株。買付予定数の下限は所有割合31.83%にあたる829万8295株。

買付期間は8月14日~10月10日の40営業日。決済の開始日は10月17日。公開買付代理人はみずほ証券。

大建工業は1945年に大建木材工業として発足し、特殊合板の製造を始めた。1967年に大建ウォールボード工業(1957年に伊藤忠と共同設立)と合併し、大建工業に社名を変更。1949年に大証に上場し、1971年から東証1部に上場(2022年4月に東証プライム市場に移行)。伊藤忠との資本関係は1950年代初めに始まり、事業上も長年緊密な関係にある。

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