【台風情報】台風7号なぜコースやや西よりに?お盆に本州縦断か 気象庁&米軍・海外進路予想の傾向そろう 予想以上に発達で “非常に強い勢力”に

当初の予想より強まって“非常に強い勢力”に

台風7号は12日(土)にかけて発達のピークを迎える予想です。11日(金)夕方の衛星画像をみると中心付近の台風の目もハッキリしています。

11日(金)午後3時の台風7号について、24時間前に予想された勢力と実際の勢力を比べてみると予想以上に発達したことがわかります。
予想 中心気圧960hPa
最大風速40m/sで「強い」
実際 中心気圧940hPa
最大風速45m/sで「非常に強い」

気象庁(11日午後9時発表)

気象庁の進路予想では、12日(土)に発達のピークを迎えて北西よりに進み、その後は北寄りへと向きを変えて比較的ゆっくりとした速さで日本へと北上する予想です。

14日(月)午後9時には紀伊半島の南海上を中心とする予報円に、15日(火)午後9時には本州を中心とした予報円に達して、その後日本海へと北上する見込みです。

これまでの予想よりもやや西寄りのコースを北上する予想で、強い勢力のまま上陸するおそれがあります。

台風7号が発達しながら北上が予想されるのは、海面水温が29℃以上と高くなっている海域を進むとみられるためです。

アメリカ海軍(11日午後3時発表)

気象庁の進路予想とほぼ同様な傾向です。北西方向に進んだ後に北寄りへと向きを変えて14日(月)午後には紀伊半島の沖合に達し、その後、近畿地方を縦断して日本海へ抜けるルートを示しています。こちらも12日(土)が発達のピークと予想されています。

夏の高気圧も強まってコースはやや西寄りに

進路予想にはブレ幅がありますが、全体的なザックリとした傾向では、これまでと比べてやや西寄りとなっています。これは当初の予想よりも台風が非常に発達したことで、週末以降、夏の高気圧の勢力も強まるとみられるためです。高気圧の縁の沿って北上する位置が要所の予想よりも西よりへとずれています。

欧米モデルも本州直撃が多数 やや西寄りに予想が変化

気象庁の進路予想で示される予報円は「その時間に台風の中心が入る確率が70%の円」です。5日先の予報円は東日本から中国地方までが含まれる大きな円となっていますが、全体的に西寄りへと変わりましたが予報円は非常に大きくなっています。そのあたりを海外予報機関の予想データなども参考にみていきます。

台風の進路予報は「アンサンブル予報」という手法で行っています。数値予報で計算に使う最初の値をわずかに変えたものを複数計算して、その平均やばらつきの程度といった統計的な情報を用いて進路を確率的に予想するものです。

ヨーロッパ中期予報センター(11日午後3時予想)

ヨーロッパモデルのアンサンブル予想結果(132時間先まで)を見ると、個別の予想結果である一つ一つのラインが西日本から東日本までバラツキがあることがわかります。予報円の大きさはこうした予想のブレ幅が反映されています。

アメリカ海洋大気庁(11日午後3時予想)

アメリカ海洋大気庁のアンサンブル予報(240時間先まで)も進路予想のバラツキは大きいですが、大まかな傾向はヨーロッパモデルと変わりません。こちらも西よりを進むラインが増えてきています。

気象庁や海外の予想をみるとまだブレ幅が大きい進路予想ですが、それでもお盆の時期に強い勢力で西日本~東日本の本州のどこかを直撃するという傾向はそろっています。

大雨や暴風など大荒れの天気が予想されるほか、お盆休みと重なるため交通機関にも大きな影響が出るおそれがあります。今後の最新情報に注意してください。

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