羽咋の砂像づくりに助っ人 愛知、高知の職人協力 国文祭へ5基、作業追いつかず

古永さん(右)が見守る中、砂像づくりを始めた尾張砂像連盟のメンバー=羽咋市の妙成寺

  ●妙成寺で制作開始

 10、11月に県内で開催される国民文化祭に向け、羽咋市名物の砂像づくりに愛知、高知県の職人が初めて協力する。市内の名所に計5基を設置する計画だが、地元の制作者3人だけでは作業が追い付かないことから助っ人を買って出た。11日から日蓮宗(にちれんしゅう)本山妙成寺で愛知の4人が制作を開始。3県の職人が力を合わせて羽咋の「砂の芸術」を発信する舞台を整え、担い手の掘り起こしにもつなげる。

 愛知県稲沢市を拠点に活動している「尾張砂像連盟」と、高知県黒潮町にある「黒潮町砂像連盟」の2団体が制作に協力する。

 いずれも千里浜で砂像づくりが始まった1994年8月の「砂の祭典」(北國新聞社特別協力)に参加したメンバーがいるのを縁に、交流を続ける千里浜砂像協会長の古永健雄さん(52)の呼び掛けに応じた。

 市内では9月末までに、市と千里浜砂像協会が千里浜海岸、道の駅のと千里浜、妙成寺、気多大社、コスモアイル羽咋の5カ所に砂像を設置する。

 千里浜海岸では、古永さんが石川の伝統芸能や名所をちりばめた高さ3.5メートルの砂像を完成させた。コスモアイル羽咋でも7月下旬から砂像協会員の田中民恵さん(56)、智代さん(50)姉妹がUFOや宇宙人、唐戸山相撲場を表現する作品の制作を進めている。

 残る3カ所については、尾張砂像連盟の4人が11日、妙成寺で五重塔や金剛力士像をデザインした砂像制作に着手。15日までに完成する予定で、砂像づくり30年以上の小山功さん(63)は「石川の国文祭で砂像の魅力を全国に発信できればうれしい」と話した。

 黒潮町砂像連盟も気多大社で作品づくりを始め、道の駅のと千里浜の砂像は古永さんが手掛ける。

 千里浜に砂像が登場してから今年で30年目となり、企業や団体、学生などのグループが53基を展示した年もあった。ただ、国の補助金打ち切りなどで次第に事業が縮小し、担い手の確保が課題となっている。古永さんは「砂像仲間の助けはありがたい。多くの人に5カ所の砂像を見てもらいたい」と話している。

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