荒れた花壇、らんまんに 金沢競馬場内カフェ店主・山田さん、手入れ続け再生

花壇の世話を続ける山田さん=金沢競馬場

 金沢競馬場の荒れ果てていた花壇が、場内に飲食店を構える山田亜紀さん(54)=津幡町=の世話で鮮やかに生まれ変わった。今春に土を掘り起こし、種や苗を植え、休業日も水やりを続け、今では季節に応じて10種類以上の花がにぎやかに咲いている。殺風景だった場内にらんまんの彩りが加わり、競馬ファンから「気分が癒やされる」との声が上がっている。

 山田さんは昨年5月に場内で「うちの仔カフェ」を開店した。パドックの横にある円形花壇が荒れ放題だったのが気になり、県競馬事業局に世話を申し出て、今年3月のシーズン開幕直前から1人で整備に乗り出した。

 山田さんは生い茂っていた雑草と、立ち枯れしていたツツジを取り除き、コスモスの種やマリーゴールドなどの苗を植えた。本場開催がなく、店が休みの日も水やりのために朝や夕方に通い続けた。

 世話のかいあり、春には競馬場移転50周年にちなみマリーゴールドで「50」の花文字が浮かび上がった。梅雨にはアジサイ、7月には大輪のヒマワリが咲いた。現在はピンクや白色のニチニチソウが見頃を迎えている。

  ●ファン「癒やされる」

 周囲も山田さんを応援し、場内で働く清掃員や保安員が種を差し入れ、店の前に人知れず花苗が置かれていたことも。レースの合間に花壇に目をやり、心を落ち着かせるファンの姿も見られる。

 県競馬事業局は「心が和む空間ができ、大変ありがたい」と感謝し、山田さんは「シーズンを通して花が楽しめるようにしたい」と話している。

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