8日に岐阜市で行われた夏祭り、手掛けたのはクセが強めの、地元企業の凄腕社長でした。祭り開催の理由とは?
8月8日、岐阜市の西郷小学校で行われた夏祭り。
多くの人で賑わう中、全身「金色タイツ」姿で異彩を放っていた1人の男性が、この夏祭りを企画した坂口輝光さん(41)。
祭りを盛り上げた、坂口さんの思いに迫りました。
岐阜市のプリント加工会社「坂口捺染」。坂口さんは、祖父が創業し今ではTシャツなどの加工を手掛けている、この会社の3代目社長です。
ド派手な「アクセサリー」に「金髪」がトレードマークです。
(坂口輝光社長)
「顔長い?顔短く撮らないかんよ」
毎日の日課は「写真撮影」。
(坂口輝光社長)
「(スマホの)写真フォルダには“俺”っていうフォルダがある」
とにかく自分が大好きな坂口社長ですが、経営者としてのモットーはズバリ…、「従業員ファースト」です!!
(従業員)
「(Q:出勤時間は?)特にないです。(子どもを)保育園に送って、家のことをちょっとしてから出勤している」
勤務時間は「自由」という驚きの働き方改革に。
(従業員)
「78歳です。(坂口社長:入社2年目?)2年目です。(坂口社長:まだバリバリの新入社員)」
「年齢関係なし」の採用方針もあって、坂口さんの会社には就職希望者が殺到。
坂口さんが入社した2004年には5000万円程度だった売り上げを、今や業界トップクラスの10億円に引き上げるなど、その経営手腕は確かです。
8月2日。その坂口社長の元を訪ねると…。
(坂口輝光社長)
「俺?変わったやろ?短髪黒髪社長」
(従業員)
「25歳に見える」
(坂口輝光社長)
「見えるよね?俺もそう思う」
普段の「金髪」から「黒髪」にイメージチェンジした坂口社長が、この日に向かった先は会社の近くにある西郷小学校でした。
(坂口輝光社長)
「この2年間プールが休講でタイルが傷んでいたり老朽化ということで、子どもたちがプールに入れない。夏の思い出をつくってあげたいという思いがある」
思いをともにした知人らとともに、坂口社長は西郷小学校で夏祭りを行うことにしました。
(女性スタッフ)
「(当日は)子どもたちに配布するバルーンを一生懸命膨らませます。子どもたちの笑顔のために」
「キッチンカー」に「バルーンアート」、そして、坂口社長が用意した祭り最大の目玉が「打ち上げ花火」でした。
(花火師)
「夢と感動を与えることが花火師としての我々の仕事なので。(祭りを)やることは、すごくいいことだと思う」
子どもたちの夏の思い出作りのために。
打ち合わせは仕事さながらの真剣そのもの。
そして迎えた夏祭り当日。
子どもたちに喜んでもらうため、全身「金色のタイツ」で登場です。
(坂口輝光社長)
「元気ですかー!?」
地元の子どもたちを中心に会場は大賑わい。
キッチンカーの前の行列も途切れることはなく…。
(キッチンカーの店員)
「完売しました。(子どもたちの)元気な声が聞こえて、すごくうれしい」
バルーンアートも大盛況でした。
そして、お待ちかね、祭りのフィナーレは…。
(坂口輝光社長)
「西郷~!最高~!」
75発の打ち上げ花火が夏の夜空を彩りました。
当初、夏の花火大会の予定がなかった西郷地区。
坂口社長は地元の子どもたちに、どうしても花火を見せてあげたかったのです。
(参加した子ども)
「花火がきれいだったし、屋台も全部おいしかった」
「打ち上げ花火は(この夏)初めて見た。すごくきれいだった」
(保護者)
「(子どもが)疲れてグズグズしていたけど。最後は喜んでいた」
(坂口輝光社長)
「(Q:子どもたちの表情はどうだった?)見りゃわかるでしょ、これ。最高でしょ。僕1人の力では、もちろんできないし、いくらみんなが協力してくれたからといっても、お客さんが来てくれなかったら意味がない。(地域の)一体感が出たかなと思うので、すごくよかったです」
子どもたちに最高の夏の思い出を。
自分のことも周りの人のことも大好きな「岐阜のクセつよ敏腕社長」の熱い夏はまだまだ続きます。