青森市浪岡で10日に起きた交通事故によって急逝したおいらせ町の柏崎進一さん(75)=柏崎青果社長=は、ニンニクを熟成させた「黒にんにく」のブランド化に情熱を注いだ。11日、関係者から突然の死を悼む声が上がった。
17年間、親交があった県中小企業団体中央会弘前支所長の古川博志さん(48)=青森市=は「体半分を失ったようだ」とショックを隠しきれなかった。
柏崎さんは2008年の県黒にんにく協会設立に尽力。理事長としてこれまで25カ国を歩き、黒にんにくの販売促進活動に精魂を傾けた。1年の半分を海外で過ごし、深夜まで仕事をしても疲れを見せないことから、商談仲間から付けられたあだ名は「怪物」。古川さんは「エネルギーと行動力にあふれた人だった」と涙声で別れを惜しんだ。
おいらせ町出身の三村申吾前知事は、百石町長時代も含め柏崎さんとは30年来の仲。「先見性のある人で、柏崎さんが黒にんにくの品質基準の統一に取り組んだことが安定した生産・流通体制につながり、本県を先進地にした。いつも元気で、業界全体のために頑張っていた。ショックだし、寂しい」と声を落とした。
柏崎さんは18年に農業振興への貢献が評価され、旭日単光章を受章している。