青森駅周辺、人出伸び率全国4位/今年上半期、コロナ禍前との比較調査で

人出が回復し通行人でにぎわう青森駅周辺=11日、青森市新町

 共同通信の分析によると、青森駅周辺における今年上半期(1~6月)の人出は、新型コロナ禍前の2019年上半期と比べ5.1%増加し、伸び率は全国4位だった。駅舎整備のほか、東北絆まつり開催や大型クルーズ船入港など、ハード・ソフト両面の複合的な要因があったとみられる。

 IT企業クロスロケーションズ(東京)がスマートフォンアプリ利用者の位置情報から推計した人流データを基に、共同通信が分析した。各都道府県の主要駅から半径500メートル以内の来訪者数を比較。青森駅周辺では、19年上半期が1日平均約3万9千人だったのに対し、23年上半期は同約4万1千人となった。

 青森市経済政策課によると、同駅では21年3月に新駅舎と東西自由通路、今年3月に西口駅前広場の利用が開始され、回遊性が向上。4月には再開発で複合施設「THREE」が中心街にオープンしたほか、大型クルーズ船がたびたび入港していることや、今年6月に開催された東北絆まつりなども人出を押し上げた一因と考えられる。

 西秀記市長は「街のいろいろな要素が一歩ずつ進化してきた成果だと思う。今後も再開発の流れが続き、新たな魅力が生まれにぎわいが増えていく可能性は十分に期待される」と指摘。「ハード事業だけでなく、観光コンテンツをブラッシュアップするなどして人が集まるきっかけをもっと提供していけたら」と話した。

 同駅から200メートルほど離れた新町通り沿いで民芸品店を営む木元照枝さん(71)は「コロナ下では通行人が少なくこの辺りも静かだったが、今年に入ってから次第ににぎわいが戻りつつあった。物価高もあって売り上げが戻りきったとは言えないが、人が戻るとやっぱり気持ちが華やいでくる」と声を弾ませた。

 駅周辺の再開発事業を巡っては、同市新町の角弘本社ビル一帯のマンションなどが入る複合施設が本年度中、青森駅舎跡地に建設中の商業施設やホテルが入る複合ビルが来年度中にも完成する予定。

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