猛暑避け朝に墓参 七尾35.8度、残り10地点真夏日

日差しが照り付ける中、先祖の墓に手を合わせる家族=12日午前9時50分、白山市松任中央墓地公苑

  ●13日旧盆入り

 12日の石川県内は高気圧に覆われて晴れ、強い日差しが照り付けた。正午までの最高気温は七尾35.8度で10日連続の「猛暑日」を観測し、小松33.3度、金沢33.2度など残る10観測地点も「真夏日」となった。13日の旧盆入りを前に県内各地の墓地では、家族連れらが暑さを避けて朝から墓前に足を運び、先祖の霊に手を合わせた。

 白山市の松任中央墓地公苑では、訪れた人が日傘を手に、帽子やタオルも使って日差しを防ぎながら、墓石に水を掛けて花を添えた。ろうそくや線香に火をつけると、墓前に並び、静かに先祖をしのんだ。

 家族5人で足を運んだ白山市成町の赤松奈津希さん(32)は「ご先祖さまに新たな家族が増えることを報告した。とにかく、暑いのでこの後、涼しいところに行きたい」と汗を拭いながら話した。同市美川本吉町に帰省した新潟の大学生吉川慎之介さん(18)は「祖母や両親ら家族5人と熱中症にならないよう、暑さが厳しくなる前に墓参りに来た」と語った。

 金沢市の野田山墓地管理事務所によると、同墓地でも朝から県外ナンバーの車が目立っているという。

 金沢地方気象台によると、13日も高気圧に覆われて晴れるが、台風7号が接近する影響で14日は曇り、15日は曇り時々雨の見込み。最高気温は30度超えが続くため、気象台は熱中症に注意するよう呼び掛けている。

 県内各消防によると、正午までに加賀市の20代女性と、白山市の60代男性が熱中症の疑いでそれぞれ搬送された。いずれも軽症の見込み。

  ●帰省続く

 旧盆をふるさとで過ごす人の帰省ラッシュは12日も続いた。JR西日本金沢支社によると、12日午前10時までの特急列車の自由席乗車率は大阪発のサンダーバードが最大110%、名古屋発のしらさぎが最大100%となった。北陸新幹線の指定席予約状況はかがやき8本、はくたか10本が満席となっている。

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