県内酷暑の旧盆 小松史上最高39.2度 熱中症、津幡の50代死亡

強い日差しを帽子や日傘で防いで歩く通行人=10日午前11時半、金沢駅前

 石川県内は10日も朝から気温が上昇し、午前のうちに全11観測地点で35度以上の猛暑日となった。小松では午後0時40分までに、3日に記録した39.0度の観測史上最高を塗り替える39.2度を観測。10日連続となる熱中症警戒アラートが発表される中、津幡町では熱中症の疑いで救急搬送された50代男性が死亡した。旧盆の帰省シーズンを迎え、ふるさとに降り立った人らは「こんなに暑いなんて」とうんざりとした表情を浮かべた。

 正午までの最高気温は羽咋38.7度、七尾37.4度、金沢36.7度、志賀36.2度、かほく36.1度など。

 金沢地方気象台によると、県内は連日の晴天、高温続きで大気全体が温まっていることに加え、北上する台風6号の影響で南から暖かく湿った空気が入り込んでいる。南風が山を越える際に熱を帯びるフェーン現象も加わり、気温が高まった。

 気象台は金沢では14日まで猛暑日が続くと予想。15、16日は一時雨が降る見込みで、その分、気温の上昇は抑えられるとみている。

 津幡町では午前0時36分ごろ、自宅で意識の無い状態で見つかった50代男性が病院に搬送され、死亡が確認された。町消防本部によると、死因は熱中症とみられる。

 県内ではこのほか、金沢市で80代女性が救急搬送された。中等症とみられる。

  ●帰省客うんざり

 猛暑の中で帰省ラッシュが始まり、金沢駅ではたくさんの荷物を持った家族連れらが祖父母や親類と再会を喜ぶ姿が見られた。例年とは違う記録的な暑さに面食らう帰省客もおり、東京から金沢市に帰ってきた学生沼田英明さん(22)は「家の中でゆっくり過ごしたい」と疲れた表情で語った。

 JR西日本金沢支社によると10日午前、金沢着の在来線特急は大阪発「サンダーバード」1本と名古屋発「しらさぎ」1本で乗車率が100%となった。北陸新幹線の自由席乗車率は40~60%だった。同社は県内への入り込みピークを11日、Uターンのピークを13日とみている。

 小松、能登空港発着便は10日午前の羽田便で満席やほぼ満席が続いた。

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