札幌は鳥栖と1-1のドロー決着…浅野の3カ月ぶり弾で先制も終盤に痛恨被弾【明治安田J1第23節】

12日、明治安田生命J1リーグ第23節の北海道コンサドーレ札幌vsサガン鳥栖が札幌ドームで行われ、1-1のドロー決着となった。

3連敗中かつ6試合白星のない13位・札幌。鹿島アントラーズと対戦した前節は開始10秒で先制され、15分にはセットプレーから追加点を献上と最悪の序盤となり、最終的に0-3の完敗に。なんとしてでも今節で嫌な流れを断ち切る必要がある。

10位・鳥栖も2連敗中。今節はチームトップの7ゴールを記録している小野がメンバー外となっており、富樫が3月12日の第4節・セレッソ大阪戦以来5カ月ぶりとなるスタメンに。富樫は直近3試合でいずれも途中出場ながら2ゴールを決めている。

開始8分で鳥栖に決定機。敵陣深くで札幌のビルドアップを刈り取り、楢原が右からクロスを上げると、ニアで富樫がすらしてファーサイドの岩崎が飛び込む。札幌GK大谷との一対一だったが、渾身のダイビングヘッドを枠へ飛ばせなかった。

ポゼッションで上回る札幌は両サイドの菅とルーカス・フェルナンデスが頻繁に前線まで顔を出すも、なかなかフィニッシュまで持ち込めず。ゼロトップ起用の小林も流動的に動いてボールを要求するが、受ければタイトなマークに遭う。

16分には鳥栖が再び決定機。ボックス左で鋭い縦パスを受けた岩崎がゴール前へラストパスを送ると、GK大谷が飛び出したゴールはガラ空きに。走り込んだ富樫が触れば確実に1点だったが、懸命に伸ばした右足には惜しくも届かなかった。

次第に札幌がペースを掴むと、20分にボックス手前から小柏、25分にはボックス右から福森が強烈なミドルシュートを放つ。いずれもJ1トップのセーブ数を誇る鳥栖GK朴一圭が守るゴールへは飛ばせずも、ホームチームに得点の匂いが漂い始める。

39分には小林が自慢の左足を一閃。ボックス手前から無回転の強烈な一撃を放ったが、GK朴一圭の正面を突いてしまう。小林は41分に右サイドからボックス左へライナー性の対角クロスを送り、最後は浅野がゴール正面から左足を振り抜くも、わずかに枠を捉えず。徐々にゴールへ近づいた前半を0-0で終える。

それでも札幌は後半立ち上がりに待望の先制点。49分、福森が前線へとスプリントするセンターバックの中村にスルーパスを送ると、これが通り、中村はGK朴一圭との一対一に。最後は右側を並走した浅野にラストパスを送り、浅野が左足で冷静にネットへ流し込んだ。浅野は今季9ゴール目としている。

チームのトップスコアラー浅野に5月19日の第14節・京都サンガF.C.戦以来、3カ月ぶりとなるゴールが生まれた札幌。先制後も攻守の歯車が噛み合わなくなった鳥栖を押し込み、追加点を奪いにいく。だが、浅野に合えば1点という64分のシーンは田中のパスが精度を欠く。

67分にも浅野が田中のお膳立てをモノにできず。田中のスルーパスに抜け出し、ボックス右でGK朴一圭との一対一を迎えるが、ファーを狙った左足シュートはゴール左へ。追加点のチャンスと同時にキャリア初となるリーグ戦10ゴール目を逃す。

81分には途中出場のスパチョークがルーカス・フェルナンデスのスルーパスに抜け出し、ネットを揺らす。しかし、パスを受けた時点でオフサイドだったとして副審の旗が上がる。勝利を大きく手繰り寄せる追加点が取れそうで取れない時間が続く。

すると、試合終盤の83分に鳥栖が同点に。両チームの選手が密集するボックス内で途中出場の西川から縦パスを受けた河原はワントラップで前を向き、少し前へ持ち出して左足を一閃。地を這う強烈な一撃がネットに突き刺さった。今季ロアッソ熊本から加入した河原はJ1での初ゴールとなった。

後半に入って決定機がなかったなか、ワンチャンスを仕留めてスコアを振り出しに戻した鳥栖。3試合ぶりの白星を目指し、なんとか逆転まで持っていきたいところだったが、6試合白星から遠ざかる札幌に押し返され、次の1点は奪えず。札幌と鳥栖の一戦は1-1のドロー決着となった。

札幌にとっては追加点のチャンスを仕留めきれず、勝ち点「3」が「1」となってしまった格好に。浅野に待望の1発が生まれたなか、これで7試合未勝利となった。

北海道コンサドーレ札幌 1-1 サガン鳥栖

【札幌】

浅野雄也(後4)

【鳥栖】

河原創(後38)

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