新11番ロドリゴ先制弾にベリンガムがデビュー弾! マドリーが難所攻略で白星発進【ラ・リーガ】

[写真:Getty Images]

2023-24シーズンのラ・リーガ開幕節、アスレティック・ビルバオvsレアル・マドリーが12日にサン・マメスで行われ、アウェイのマドリーが0-2で勝利した。

昨シーズンは久々のコパ・デル・レイ制覇も、ラ・リーガとチャンピオンズリーグで連覇を逃したマドリー。覇権奪還を期す今シーズンに向けては、ベンゼマらの退団によって前線の大幅刷新を強いられた一方、注目のベリンガム加入にブラヒム・ディアスとフラン・ガルシアが帰還。プレシーズンを通じてはメインシステムの[4-3-3]から豊富な中盤のタレントを生かすべく[4-3-1-2]のオプション構築に励んだ。

アスレティックとの難所サン・マメスでとの開幕戦では数日前に前十字じん帯断裂の重傷が明かされた守護神クルトワ代役にルニンを起用したほか、ヴィニシウスとロドリゴの2トップにベリンガムをトップ下に置く[4-3-1-2]を継続した。

互いに様子見の入りとなった中、時間の経過とともにマドリーがボールを握って押し込む展開に。ただ、中央をしっかりと締める相手の守備に対して、なかなか中央で効果的なアクセントを付けられず。また、サイドと中央を行き来する2トップに幾度か良い形で縦パスが入るが、DFビビアンを中心にソリッドな対人対応を見せたホームチームの堅守に苦戦する。

それでも、相手にチャンスを与えることなくゲーム自体はコントロールするマドリーは、新11番が見事な個の力でワンチャンスを先制ゴールに繋げた。28分、右サイドのタッチライン際に張ってボールを受けたロドリゴがそのままドリブルで内側へ運びカルバハルとのパス交換でボックス内に侵入。DFレクエに後方から身体をぶつけられるも、その反動を利用してゴール方向に向かって右足のグラウンダーシュートをゴールネットへ突き刺した。

やや苦しみながらもロドリゴの見事な決定力でリードを手にしたマドリーは、ここからよりスムーズな攻撃を仕掛けていく。ヴィニシウスの仕掛けからのシュート、セットプレーでのアラバのヘディングシュートで決定機まで持ち込むと、鳴り物入りでの加入となったイングランド代表MFが早速真価を発揮する。

36分、左CKの場面でキッカーのアラバが左足アウトスウィングのボールを入れると、ボックス中央で反応したベリンガムが右足でダイレクトシュート。ピッチに叩きつける形となったシュートがゴール前の密集を抜け、GKウナイ・シモンの頭上を越える形でゴール左隅に決まった。

ベリンガムのデビュー弾で瞬く間にリードを広げたアウェイチームは、その直後にウナイ・ゴメスに決定機を作られたものの、以降も相手にペースを渡すことなくきっちりリードを維持してハーフタイムを迎えた。

一方、前半は攻撃面でうまくいかなかったアスレティックはハーフタイムに3枚替えを敢行。ムニアイン、ウナイ・ゴメス、ニコ・ウィリアムズと2列目を入れ替えてベレンゲル、サンセト、グルセタを投入。グルセタが最前線に入り、イニャキ・ウィリアムズが右にポジションを変えた。

後半も集中した入りを見せたマドリーだったが、大きなアクシデントが発生。守備対応の際にミリトンが足を滑らせてヒザを強く捻ってしまうと、前十字じん帯断裂などの重傷を悟ったか、涙を浮かべながらスタッフに両脇を支えられながらピッチを後に。代わってリュディガーが投入された。

後半はアスレティックが相手陣内でのプレータイムを増やしていくが、前半同様になかなかフィニッシュまで持ち込めない。これに対してマドリーは、カウンターやセットプレーでより効果的にフィニッシュまで持ち込んでいく。だが、ヴィニシウスやバルベルデの決定的なシュートは3点目に繋がらず。

後半半ばを過ぎると、アスレティックが左サイドを起点に攻撃の厚みを増してサンセトやベレンゲルに決定機が生まれ始める。この展開を受け、アンチェロッティ監督はブラジル人2トップを下げて新戦力のホセルとモドリッチを同時投入。[4-2-3-1]への変更でゲームコントロール優先の戦い方にシフト。

すると、すでに投入していたクロースを含め、百戦錬磨のベテランがボールを落ち着かせながら、守備の局面でも全体を巧みにコントロール。相手の勢いを削ぐことに成功した。

結局、試合を決める3点目は奪えなかったものの、冷静な対応が光ったGKルニンを中心に最後までアスレティックにゴールを割らせず、0-2のまま試合をクローズ。ミリトンの状態は気がかりも、敵地での難しい開幕戦を見事に勝利した。

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