長崎原爆の当初の投下目標だったとされる小倉(北九州市)から長崎市まで約230キロにわたり、看護学生たちが「平和の灯」をリレー形式でつないでいる。佐賀県の学生も11日から県内を歩き、平和への思いを強くしている。
今年で3回目となる「ナイチンゲール平和の灯運動」に福岡、佐賀、長崎県の8校65人が参加している。6日に福岡県八女市で燃え続けている広島原爆の灯を採火し、9日に北九州看護大学校を出発。15日に長崎市の原子爆弾無縁死没者追悼祈念堂に献灯する。
11日に佐賀市内を歩いた佐賀県医療センター好生館看護学院1年の井上亜衣さん(18)=武雄市出身=は「私たちの祖父母の年代は戦争体験がなく、体験者の話を聞いたことがないけれど、活動を通じて平和の大切さを伝えるきっかけになれば」と話した。
西南女学院大の中島俊介教授(73)の呼びかけで、看護学生らでつくる小さな平和運動連絡協議会が実施している。中島教授は国際情勢の緊張を踏まえ「緊迫感を持ち、平和に向けた行動を積み重ねることが大切。一歩ずつ歩くことで感じてもらえたら」と話す。(円田浩二)