ティラノサウルスになりきって全力疾走!! 兵庫・丹波で10月、着ぐるみレース初開催

「ティラノサウルスレースin丹波竜の里」をPRする実行委員会の面々=いずれも丹波年輪の里

 兵庫県で恐竜と言えば丹波竜。その化石の発見地である同県丹波市で10月15日、恐竜の着ぐるみ姿で行う海外発祥の徒競走「ティラノサウルスレース」が初開催される。150人が芝生広場を全力で駆け、玉入れや大玉転がしといった競技にも挑戦する。本物の化石の発掘体験や資料展示など、恐竜の里ならではの催しも充実する。8月22日正午から、レースの出場受け付けを始める。(那谷享平)

 丹波青年会議所や丹波県民局、丹波市などでつくる実行委員会が主催する「ティラノサウルスレースin丹波竜の里」。

 丹波市柏原町田路の「丹波年輪の里」を会場に、成獣オスの部(中学生以上の男性40人)▽成獣メスの部(中学生以上の女性40人)▽幼獣の部(小学生以下の男女40人)-3部門でレースを行う。一般参加とは別に、丹波地域在住者の申し込み枠(男女30人)を設ける。

 当日は午前10時に開会し、出場者が恐竜姿のままラジオ体操、ボクシングエクササイズ、玉入れを楽しむ。午後1時から予選レースがあり、大玉転がしを挟んで、決勝レース。終了後のごみ拾いや表彰式まで、大勢の着ぐるみがうごめくコミカルな光景が続く。

 ほかにも、丹波竜など多数の化石が見つかった1億1千万年前の地層「篠山層群」の石を使った本物の化石発掘体験や、丹波竜化石工房「ちーたんの館」(丹波市)の出張展示がある。

 また、旬を迎える丹波市の秋の味覚を扱うマルシェで、クリや大納言小豆、黒大豆枝豆などの農産物や特産品を販売する。

 空気で膨らむティラノサウルスの着ぐるみは出場者が持参。出場の申し込みはインターネットの応募フォームから。8月22日正午からアクセス可能で、先着順。応募殺到が予想されるという。雨天時は10月21日に延期。丹波年輪の里TEL0795.73.0725

    ◇

 市販のティラノサウルスの着ぐるみ姿で走る同種イベントは人気で、各地で開かれている。「恐竜と何のゆかりもない土地で開かれているのに、なぜ丹波に大会がないんだ!」。丹波市での初開催は、そんな思いを抱いた地元関係者らが行政を動かし、実現した。

 実行委によると、丹波青年会議所内で開催案が持ち上がったのは今年2月ごろ。実行委員長を務める同会議所の吉住友貴さん(34)は「全国や海外から人が来るかも。市の活力を引き出せるはず」と考えていた。

 これとは別に春頃から大会の実現を模索していたのが、丹波県民局職員の足立誠子さん=丹波市=と会社員の上村信博さん(52)=同県丹波篠山市。大阪や香川で大会に参戦し、楽しさを体感しており、独自に会場探しなどをしていた。

 両者の動きを知った丹波県民局が間を取り持ち、今年5月、丹波市や同市観光協会などが加わり実行委が発足。内容を練り、足立さんと上村さんはレースの監修を担当した。

 鳥取の大会で優勝経験のある足立さんは「恐竜になりきって走ると、いつもと違う自分になれる。参加者同士の交流も楽しいし、見ているだけでも笑顔になれる」と来場を呼びかける。

© 株式会社神戸新聞社