開幕節屈指の好カードとなったチェルシーvsリバプールはドロー…ポチェッティーノ率いる新生ブルーズ優勢も対レッズは公式戦7戦連続ドロー【プレミアリーグ】

[写真:Getty Images]

2023-24シーズンのプレミアリーグ開幕節、チェルシーvsリバプールが13日にスタンフォード・ブリッジで行われ、1-1のドローに終わった。

昨シーズンのトップ4圏外からの巻き返しを図る名門2クラブが激突する、開幕節屈指の好カード。

昨シーズンは、12位フィニッシュという屈辱を味わったチェルシー。捲土重来を期す今シーズンはポチェッティーノ監督を新指揮官に招へい。さらに、移籍市場においても大幅なスカッド刷新を図った。そして、難敵をホームで迎え撃ったホームでの開幕戦ではGKサンチェス、ローンバックのコルウィルを含め、ディザジ、ジャクソンと4人の新戦力を起用。また、プレシーズンを通じては[4-2-3-1]で戦ってきたが、リバプール対策か[3-4-2-1]の布陣を採用。前線はジャクソンを最前線に置き、スターリングとチュクエメカがシャドーに入った。

一方、多くの負傷者に悩まされて5位フィニッシュとなったリバプールは今季もクロップ体制を継続。ただ、前キャプテンのヘンダーソンやファビーニョといった近年の黄金期を支えた多くのベテランがチームを離れ、ひとつの時代が終焉。この開幕戦では中盤刷新の象徴となるマク・アリスター、ソボスライの新戦力2人をガクポと共に中盤で起用。[4-3-3]の3トップはサラー、ジョタ、ルイス・ディアスが並んだ。

立ち位置が読めないホームチームの戦い方を確認しながらも、立ち上がりから攻守両面でハイインテンシティのプレーを見せるアウェイチーム。6分にはソボスライが右サイドからの仕掛けでボックス内に侵入し、ボールを引き取ったジョタが際どいシュートを放つ。さらに、12分にはカウンターから局面を打開したガクポから中央でパスを受けたサラーが右足に持ち替えてクロスバー直撃のシュートでゴールに迫った。

一方、チェルシーは相手の圧力を受ける入りとなったものの、時間の経過と共にシステム上のミスマッチや自慢の両ウイングバックを使った形でボールを前進させていく。エンソ・フェルナンデスのボックス内への飛び出しからのシュート、ジャクソンのシュートで攻撃の形を作り出した。

序盤の攻防を経てどちらが完全に主導権を握るかに注目が集まった中、リバプールが圧巻のコンビネーションプレーでゴールをこじ開ける。18分、GKアリソンからの細かい繋ぎから前向きでボールを持ったマク・アリスターが絶妙なミドルレンジのパスを右サイドのサラーに通す。サラーはカットインからの突破を見せながら逆サイドからゴール前にフルスプリントしたディアスの動きを察知し、早いタイミングでのラストパスを選択。針の穴を通す完璧なパスに反応したディアスは滑り込みながらの左足のダイレクトシュートを流し込んだ。

早い時間帯にリードを手にしたリバプールは、ホームチームの気落ちを見逃さずに畳みかける。29分には中央でボールを受けたアレクサンダー=アーノルドからの絶妙なスルーパスに完璧に抜け出したサラーが難なくGKとの一対一を制す。だが、VARのレビューの結果、際どいオフサイド判定でゴールは認められず。

すると、VARに救われたチェルシーがここからリズムを掴んで攻勢に転じていく。リバプールの圧力に慣れ始めて中盤から前の選手が前向きで仕掛ける場面が増えると、右サイドのスターリングもアタッキングサードでの果敢な仕掛けで見せ場を作る。

そして、37分には右CKの二次攻撃からボックス手前のチルウェルがゴール前のスペースへ浮き球のヘディングパスを落とすと、アレクサンダー=アーノルドを振り切って飛び込んだディザジが泥臭く右足で押し込み、値千金のデビュー戦ゴールとした。

さらに、追いついた勢いに乗るチェルシーは直後の39分に中央でのスターリングの運びからエンソ・フェルナンデスの背後へのショートスルーパスに反応したチルウェルがボックス内に侵入。飛び出したGKアリソンを冷静にかわして右足のシュートを流し込む。だが、瞬く間の連続ゴールによる逆転劇かに思われたこのゴールはVARのレビューの結果、サラーと同じく際どいオフサイド判定で認められず。

以降も優勢に試合を進めたチェルシーは前半終了間際にも右サイドを突破したリース・ジェームズの完璧な折り返しからジャクソンにビッグチャンスが訪れるが、ゴール前での右足シュートは枠を捉え切れなかった。

序盤はリバプール、半ば以降はチェルシーと大きく主導権が入れ替わった前半は1-1のイーブンで終了。互いにハーフタイムの選手交代は行わずに残り45分間の戦いに臨んだ。

前半に引き続き立ち上がりはリバプールがペースを握り、いずれもセットプレーの流れからファン・ダイクの意表を突くミドルシュート、ディアスのヘディングシュートでゴールへ迫る。

後半序盤の守勢を凌いだチェルシーはここからボールを握ってゲームをコントロールしていく。そして、55分にはエンソ・フェルナンデスの絶妙なラストパスに反応したチルウェルがボックス左に持ち込んで得意の左足を振っていく。だが、枠を捉えたシュートはGKアリソンのビッグセーブに阻まれた。

後半半ばから終盤にかけても試合展開に大きな変化はなし。運動量、強度の部分で劣勢のリバプールは、精彩を欠いたガクポとジョタに代えてカーティス・ジョーンズ、ヌニェスを投入。さらに、クロップ監督は77分にサラーとディアスを下げてドーク、エリオットと若手2人に切り替える大胆な一手を講じる。これで開幕連続ゴールが6シーズンで途切れたレッズのエースは指揮官の決断に不満を露わにしてベンチへ下がった。

一方、ボールも主導権も握って優勢に試合を進めるチェルシーは70分過ぎにコルウィルのスルーパスに抜け出したジャクソンが決定機に絡んで以降はやや崩しの局面で苦戦。筋肉系のトラブルで交代を余儀なくされたジェームズに代えてグストを投入したほか、終盤には2シャドーを下げてムドリク、マートセンを投入。攻撃に変化を加えた。

ただ、PK戦を除いて公式戦6試合連続ドロー中の拮抗したカードは今回の試合でも均衡が保たれたまま後半最終盤に。5分が加えられた後半アディショナルタイムではヌニェス、ムドリクとビッグチャンスが訪れたものの、いずれも決め切るまでには至らず。この結果、開幕節屈指の好カードは1-1のドローに終わり、両者は公式戦7試合連続でのドローに。

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