役所の仕事「チャットGPT」に手伝わす 県職員6000人全員が試験運用

滋賀県が試験運用を始めたチャットGPT。全職員が業務用パソコンで使い、資料作成などに役立てる(大津市・県庁)

 滋賀県はこのほど、対話型人工知能(AI)「チャットGPT」の庁内業務での試験運用を始めた。資料作成などの効率化や、事業の企画・立案で多様なアイデアの創出につなげる狙い。活用のためのルールも定め、情報漏えいや事実確認を怠ることがないよう配慮した運用を目指す。

 試験期間は9月30日までの2カ月間で、その間は無料で利用できる。警察官、教員を除く全職員の約6千人が対象。それぞれの業務用パソコン端末から使うことができる。

 試験運用にあわせて職員に示した活用方針には、あいさつ文や議会答弁資料のたたき台の作成、催しのキャッチコピー案づくり、翻訳や表作成の補助など、想定される作業を挙げた。ただ、限定はせず、積極的な利用を呼びかけている。

 適正な活用に向けてルールも新たに作った。流出を防ぐため、個人情報などの非公開データは入力しない▽事実や根拠の確認を徹底する▽既存の著作物に該当しないか調べる―など、得られた情報の取り扱いについて定めている。

 期間中は、活用事例や課題を庁内でそのつど共有するほか、終了後は職員にアンケートして時間短縮などの効果を見極め、来年度から有料で本格的に運用するかどうかを決める。DX推進課は「仕事の発想を広げられるなどの利点や注意点を理解しながら、有効利用につなげたい」としている。

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