足利・丸太担ぎ祈り登山 石尊山で「梵天祭り」

日の出前の稜線を杉丸太を担ぎ登る参加者=14日午前5時10分、足利市小俣町

 長さ15メートルの杉丸太を担ぎ上げ、山頂に打ち立てる伝統行事「石尊山(せきそんさん)の梵天(ぼんてん)祭り」が14日早朝、足利市小俣町の石尊山(486メートル)で行われた。新型コロナウイルス禍で休止や規模縮小を余儀なくされ、4年ぶりの完全復活となった。

 江戸中期から続くとされる県無形民俗文化財。地域住民で組織する梵天講が継承している。

 祭りは午前3時、山麓の不動堂での護摩祈祷(きとう)から始まった。午前3時50分には約50人の担ぎ手が杉丸太を肩に乗せて麓を出発。「わっしょい」と威勢よく声を合わせ、「梵天道」と呼ばれる直線の急斜面を担ぎ上げた。

 約1時間半後には山頂に到着。丸太の先端に幣束などを取り付け、日の出とともに空に向かって打ち立てた。続いて、幣束などを抜き取って家内安全を願おうと、子どもらが丸太上りに挑戦した。先端付近まで上った群馬県桐生市相生中1年、曽根大地(そねだいち)さん(12)は「つるつる滑るけど楽しかった。上からは街並みがきれいに見えた」と喜んでいた。

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