苦戦が続くMスポーツ、ギリシャまでの夏休みが「リセットする」絶好の期間とミルナー代表/WRC

 Mスポーツ・フォード・ワールドラリーチームのチームプリンシパルであるリチャード・ミルナーは、『ラリー・フィンランド』後の4週間“サマーブレイク”がイギリスを拠点とする名門ラリーチームにとって、「リセットする」のに絶好のタイミングであると認めた。

 チームのエースドライバーに、古巣復帰となるオット・タナクを迎えてWRC世界ラリー選手権の2023年シーズンに入ったMスポーツは、ここまでのところほとんどのラウンドで苦戦を強いられている。今季の残りラウンドがギリシャ、チリ、ヨーロッパ(ドイツ+チェコ+オーストリア)、ジャパンの計4つとなった今、それらのラリーで大きな追い上げを見せるために、チームはダウンタイムを過ごすための準備ができているとミルナーは語った。

 2019年のシリーズチャンピオンであるタナクが、今年2月に行われた第2戦スウェーデンで優勝しドライバー選手権をリードしたことは、Mスポーツにとって今シーズンのハイライトだ。しかし、その後はなかなか好結果が得られず第4戦クロアチアを最後に表彰台から遠ざかっているほか、直近のフィンランドと第8戦エストニアでは『フォード・プーマ・ラリー1』のエンジンに問題が生じ、タナクの勝利への挑戦が妨げられている。

 それでも、Mスポーツのボスは、タナクが年内にふたたび表彰台に戻ることができると確信している。

「私は嘘をつくつもりはない。ここまでは本当に厳しいシーズンだった」とWRC.comに語ったミルナー。

「オット(・タナク)はラリー・フィンランドの後、『リセットが必要』だと話していたが、それは我々も同じだと思っている。今年の前半戦はいくつかの問題を抱えていたが、そのうえ運もなかったと思っている。不運を嘆くつもりはないが、それくらい幸運が訪れなかった!」

「彼らはいま、かなり忙しくしている。エストニアからフィンランドまでの間に、遠隔地でのリビルドを挟んでの連戦だったから、負担も大きかった。みんな今すぐにでも休める準備ができているよ」

「少し時間をかけて家族と過ごす必要がある。我々はWRCから少し離れて、また充電して、ギリシャ以降のラリーをハードに戦う準備をする必要があるんだ。私たちは勝つためのスピードを持ったマシンがあることを知っているし、オットのスピードとラリーや選手権で勝つ能力に疑問の余地はない」

Mスポーツ・フォードWRTのリチャード・ミルナー代表
ピエール-ルイ・ルーベ/ニコラス・ギルソウル組(フォード・プーマ・ラリー1) 2023年WRC第9戦ラリー・フィンランド

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