台風7号直撃、兵庫の交通混乱 神戸・兵庫区、強風にあおられ工事現場のパネル倒れる

工事現場を囲っていたパネルが強風で倒れ、約10メートルにわたって歩道をふさいだ=15日午前8時29分、神戸市兵庫区荒田町1

 15日午前5時前、和歌山県に上陸し、同日正午現在も近畿地方を北上している台風7号。兵庫県は15日未明から南部が暴風域に入った。運転を見合わせたJR神戸線の三ノ宮駅では乗客らがタクシー待ちの列をつくったほか、街では工事現場のパネルや街路樹が倒れるなどの被害が出た。

 JR西日本は朝から神戸線などで運転を見合わせた。ポートライナーも止まり、午前8時半過ぎ、三ノ宮駅ではタクシーを待つ長蛇の列ができた。ポートアイランドにある病院に出勤途中という公務員の男性(31)=神戸市灘区=は1時間以上並んでもまだ乗り場は見えないという。疲れた表情ながら「どんな時でも休めない仕事なので、遅れてでも行く」と気を引き締めていた。

 東京旅行に出かけていたベトナム出身の会社員、ハンゴッククアンさん(33)=南あわじ市=は、新幹線が運休したため、夜行バスで三宮まで帰ってきた。その先の交通手段を調べたが帰宅のめどは立たず、「どうしたらいいか分からない」と途方に暮れていた。

 神戸市長田区の六間道商店街では、強風で開閉式のアーケード(長さ約15メートル、幅約10メートル)がめくれ上がった。同商店街振興組合理事長の魏国臣さん(63)によると、同日午前7時半ごろに「ドン」という大きな音が聞こえ、外を確認するとアーケードが浮いた状態になっていたという。

 2018年の台風21号でも同様の被害が発生したといい、魏さんは「『またか』と思った。まだ台風が通過していないので、アーケードが落ちないか心配だ」と不安げに話した。

 神戸市兵庫区荒田町1のマンション工事現場2カ所でも同日午前、工事現場を囲むパネルが約10メートルにわたって倒れた。歩道をふさいだため、風雨の中で警察官が交通整理し、工事関係者が撤去作業を急いだ。

 神戸市内では、街路樹が倒れるなどの影響も相次いだ。普段は多くの市民や観光客が行き交う神戸・元町の大丸神戸店前は、暴風雨で飛ばされた枝や葉が散乱し、交差点を渡る人の姿もまばら。南京町では休業する飲食店も多く、一帯はひっそりとしていた。(名倉あかり、千葉翔大、高田康夫、大高 碧)

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