【データで見える最強選手⑩】投手の決め球を得意球に変えて絶好調のヌートバー

現代のベースボールを語るうえで欠かせないのがデータ。膨大なデータを使えば、あらゆる事実が見えてくる。ここぞという場面で投手が投げる自慢の決め球を苦にしない打者がいる。後半戦で好調のラーズ・ヌートバー(カージナルス)はシンカーを完全に攻略している。

前半戦は怪我の影響もあり、打率.259、5本塁打と成績が伸びていなかったカージナルスのラーズ・ヌートバー。しかし、後半戦に入ってからここまでの27試合で打率.333、7本塁打と好調を維持している。その要因が苦手だった変化球の攻略だ。

昨季は46打席で打率.184と苦戦を強いられていたシンカーだが、今季は62打席で打率.457。これは50打席以上に立った選手のなかではMLBトップであり、2位につけるレイズのワンダー・フランコの.420と3分以上の差がある。

圧巻だったのが、日本時間7月29日のカブス戦だ。1番・センターで先発出場したヌートバーは、初回の第1打席で先発右腕のヘイデン・ウェスネスキーがカウント1-1から3球目に投じた93.3マイル(約150.2キロ)の直球を捉え、左中間フェンスを越える先頭打者アーチを放った。

これで終わらず、3回の第2打席では、2番手のドリュー・スマイリーが投じたカウント2-1からの4球目を捉え、今度は右中間スタンド中段に飛び込む2打席連続のホームランを放った。捉えたのは今シーズンから得意にしているシンカーで、2打席連続のホームランは自身初だった。

ちなみに、他にも投手の決め球を攻略している選手がいる。フレディ・フリーマン(ドジャース)はチェンジアップに対して打率.441、ルイス・アライズ(マーリンズ)はスライダーに対して打率.373を記録している。ヌートバーは、次は打率.093と苦戦しているスライダーを攻略し、さらなる成長を期待したい。

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