逢田梨香子、バースデーパーティ『RIKAKO AIDA Birthday Party 2023 "for YOU!!"』を開催!「何気ない毎日こそがとっても愛おしいんです」

声優・アーティストとして活躍中の逢田梨香子が誕生日当日の8月8日(火)、東京・Zepp Hanedaにてバースデーパーティを昼の部、夜の部にわたり開催した。 逢田は2015年『ラブライブ!サンシャイン!!』の桜内梨子役で声優デビューし、同作品のスクールアイドルユニット・Aqours(アクア)としても活動。2019年には待望のソロデビューを果たし、今春のアニメ『スキップとローファー』のエンディングを彩るなど、その表現力を存分に発揮している。 毎年恒例となっているバースデーパーティの今年のタイトルは『RIKAKO AIDA Birthday Party 2023 “for YOU!!”』。昨年のタイトルが“’Dear ME”と考えると感慨深いものがある。前半のバラエティパート、後半のライブパートという二部構成で、さまざまな歌を通じてお互いにありがとうの気持ちを伝えあった。本稿では夜公演のレポートをお届けする。 祝福ムードいっぱいの会場。スクリーンには「皆様のカラオケにまつわるメッセージやエピソードを募集いたします。#forYOU_Q」というメッセージが。そして、ステージ中央には、ソファが2つに机。その机の上にはなにやらデンモクらしきものが……。

毎年趣向を凝らした演出で楽しませてくれるバースデーイベントの今回のテーマは、そう、“カラオケ”である。事前にOFFICIAL MEMBER「Us」内で歌って欲しい楽曲を募集し、「もしかすると“RIKAKO AIDA Birthday Party 2023 “for YOU!!”内で……?」と、カバーすることまでは示唆していた。 どんなステージが繰り広げられるのか期待が膨らむ中、<今すぐ名前呼んで>という歌詞が含まれる「Mirror Mirror」のサウンドがひときわ大きくなる。大歓声が広がり、愛称である“りきゃこ”の名も響いた。

暗転すると、ゆるい雰囲気の音楽が流れ出し、MCを務めるグランジの遠山大輔が登壇。3月に行われたOFFICIAL FAN MEETING「with Us」vol.2でもMCを担当するなど、ファンにとってもお馴染みの人物で、歓喜の声で迎えられる……が、舞台は新しくできたばかりの“カラオケ天空橋”。「なんで歓声が聴こえるんだろう? 遠山って聴こえる? この店、個人情報筒抜け!?」と不思議がってる様子。待ち合わせに遅れている“あの人”が来るまでの間、デンモクの履歴を見ながら、ひとりごと風の軽妙な語り口で観客を笑わせる。 「まだ来ないのかな。そしたら一人で歌うか……」と曲を入力していると、颯爽とステージに現れた逢田が「皆さんこんばんは! 逢田梨香子です、歌います!」と高橋瞳の「青空のナミダ」を歌唱。力強い歌声を届ける彼女が身にまとっているのは、白を基調とした大人っぽいロングスカート。フェミニンな雰囲気がありながらもかっこよさも兼ね備えていて、今の彼女によく似合っている。

オープニングムービーを経て、ソファに腰を掛けながらゆるやかにトークパートへ。「“みんな”盛り上がってくれてすごいですね」と思わず口にすると遠山から鋭いツッコミが入り「あ、幻聴なのかな(笑)。青い光も見えちゃってます」と笑った。遅刻の理由を尋ねられると「遠山さんがデンモクの履歴を見てつぶやいていらっしゃったのが面白すぎて、永遠にこれ見ていたいなと思っちゃって」と思い出し笑い。 続けて遠山から「昼もここで待ち合わせして。昼が終わったあと何していたんですか?」と質問を投げかけられると「リアルな話をするとお見送りをさせていただいたり……って言っちゃった!」と、サプライズであった“お見送り”を自らバラしてしまう結果に。会場に笑い声が響いた。 慌てた様子で遠山は「いや、僕はその時間のあとのことを言ってたんですよ! だから濁して言ったのに!」と叫びつつ「でも皆さんめちゃくちゃ優しいから、本当に言うはずだったところで、お見送りがあることを話したら、1.8倍くらいのリアクションをくれると僕は信じてますよ」と観客をチラり。すると観客からも「もう忘れた!」とフォローが入り、「もう忘れた!?(笑) ありがとう〜」と申し訳なさそうにお礼した。自然体の彼女の姿が見られるのも、イベントの醍醐味だ。 ちなみに、昼の部のお見送り会のあとは最近ハマっている『たまごっち』をやっていたとのこと(笑)。『たまごっち』と同じく日課となっている携帯液晶ゲーム『ちいかわといっしょ』は、今日は自宅に置いてきたという。 また、誕生日を迎えた今の心境について明かす場面も。「去年と違って特に気持ち的に変わるようなことはなくて。良い年の取り方をしたいなって。これからどんな景色を見られるか、その時々で変わってくると思うので楽しみです」とワクワクした様子を見せた。リアルタイムでハッシュタグのファンの声を拾いながらトークを繰り広げていく。

その中でオープニングナンバーに言及。TVアニメ『BLOOD+』が好きなことや、その主題歌の「青空のナミダ」は自身の十八番であることなどを明かす。また、『BLOOD+』の主人公・音無 小夜を演じる喜多村英梨から誕生日のお祝いメッセージが届き、この曲を歌うことも直接伝えたそうで「嬉しかったです」と満面の笑みを見せた。 選曲に関してはファンのリクエスト曲が中心。オケには実際のカラオケDAMの音源を使用している。逢田が歌っている間はソファにいる遠山がタンバリンを叩いたり、オケがアウトロの途中でフェードアウトしたりと、“カラオケ”ならではの演出も光った。加えて、トークコーナーの合間にはカラオケの待ち時間に流れる映像を模した“Us CHANNEL”を展開と、徹底っぷりが凄まじい。「やっぱりDAMは最高だよね!」と盛り上がるふたり。逢田は「プライベートでは10年以上カラオケには行ってない」とは言うものの、ひとりカラオケにはよく行っているんだそう。ひとカラはカラオケというより、練習という感覚なのだとか。

「じゃあそろそろ次の曲を……」と入力したのは、逢田が大ファンであり、楽曲提供やイベントで共演するなど親交があるシンガー・やなぎなぎのデビュー曲。「とても大切な曲」である「ビードロ模様」を柔らかく丁寧に紡いでいく。その直前に交わされていたロゴの話題に合わせてか、観客はペンライトをロゴの色のピンクと青に点灯させていたことも印象的であった(本人は途中でハッと気づいたそう)。 3曲目には逢田が昔から好きなアーティスト・浜崎あゆみのウィンター・ソング「No way to say」をセレクト。感情豊かな歌声が切々とした情景を浮かび上がらせる。「私がただ単に大好きな曲として歌わせていただきました。小学生の頃から大好きで、(あゆの影響で)髪の毛も明るくしたり、ヒョウ柄の尻尾をつけたり……」と熱弁した。ちなみに昼公演では浜崎あゆみ「BLUE BIRD」を歌唱している。

逢田のバッググラウンドを歌とトークでも知ることのできる、バースデーライブならではの貴重な時間である。また、“あなた”へのプレゼントコーナー(逢田の私物であるぬいぐるみと、8個のサイン入りボール)もそれぞれ2回あった。サインボールをプレゼントする場面では「直接、私が心を込めてお渡ししたいなと思っています」とフロアに向かって勢いよく投げ込んだ(野球経験者の遠山が「フォームが良い!」と絶賛)。 あっという間にカラオケルームの終了まで「残り10分」。「じゃあラストの曲を。すごくリクエストが多かった曲です。知ってる人がいったら一緒に歌って下さい!」と呼びかけ、SPYAIRの「サムライハート」を熱唱。赤いライトに照らされながら「みんな声聴かせて!」とマイクを客席に向け、一体感を生み出した。「ギアが一個上がった気がする。うれしい、ありがとうございます! SPYAIRさんは学生時代から大好きで友だちと一緒にライブも見に行っていました」と思い出を共有する。ちなみに「サムライハート」のみ、カラオケの採点が。結果は「100点中、88点!」。もちろんこれは8月8日から取ったもので、遠山と漫才風のやりとりを交わし客席を沸かせた。そんなオチも含めて楽しい。

グッズ紹介の動画を挟んでライブパートへ。衣装を変えてオンステージすると、TVアニメ『スキップとローファー』のEDテーマ「ハナウタとまわり道」を。ハンズクラップが沸き起こり「もっと聴かせて!」と、軽やかな足取りでステージを駆け巡る。優しいミディアムナンバーで観客をひとつにした。 「いやあ、凄いね! 昼公演も皆さんとても元気が良かったんですけど、夜公演も元気でいらっしゃって(笑)。とてもうれしい。平日なのに、みんな来てくれてありがとう。毎年誕生日当日にライブをやることにこだわっていて。ありがたいことに、毎年遊びにきてくださって“おめでとう”って言ってくれて。こんなにたくさんの方に“おめでとう”って言ってもらうことってないよ?」

その言葉を受けて観客から改めて「おめでとう!」の声が上がり、「本当にうれしい限りです」と感謝を示した。そしてその気持ちを示すかのように、久しぶりに歌うバラード「ME」をプレゼント。<これまでの道のりが決して嘘ではないとこれからは少しずつ証明するよ>と決意を伝え、<私らしい私で 生きていくよ>と約束。観客一人ひとりと視線を結ぶようにまっすぐに前を見つめて、感慨深い表情で胸に手を当てた。しみじみとした様子で曲を振り返る。 「前に歌ってからそんなに時間は経っていないんだけど、歌いながらなんだか懐かしい気持ちになってしまいました。自分で歌っていても、聴いていても……自分と向き合える気持ちになれる大好きな曲です。31年ってまだまだ短い時間ではあるんですけど、ここにくるまでに、たくさんの方に出会って、温かさに触れて。今日もそうです。31年間、奇跡の連続のような出来事がたくさんあったなって、いろいろな思い出が駆け巡りました。その都度、違う気持ちになる曲です。曲も一緒に成長しているんだなと改めて感じました」

ラストの曲です、と伝えると「えーっ!」という声が。申し訳なさそうに「さっき言っちゃったけど……このあとお見送りがあるので」と切り出すと、客席からは笑い声とともに、さきほどの1.8倍以上の歓喜の声が響いた。ファンの優しさに包まれつつ「あとで皆さんに私から感謝の気持ちをお伝えします。最後は夏の終わりを締めくくる曲。私の誕生日が終わったら、夏は終わりなんです! 私の誕生日と、夏の終わりを締めくくるのに最高な一曲を」と「ノスタルジックに夏めいて」を。ミラーボールの下で、サビの歌詞に合わせてボリュームのあるチュールスカートを揺らす。<何気ない毎日こそがとっても愛おしいんです>と、これまでの思いをつなげるように歌う。笑顔だけが溢れた、とても良い光景だった。

何度も感謝の気持ちを伝え、遠山をステージに呼び込むと、遠山がサプライズのケーキを持って登場。自身のアーティスト写真がプリントされた特製ケーキに声を弾ませた。記念撮影をし、最後にメッセージ。

「9月にミニアルバムをリリースします。あの大塚 愛さんが楽曲提供をしてくださって。こんなことが起きるんだなって、やっててよかったなって。本当にすごく素敵な1枚になっています! また来年も会えたらうれしいです。事情があって来られない方もいると思うんですが、それでもどこかで、元気で過ごしていて欲しいです。そしてどこかで笑顔で会いましょう!」

“第二幕/第二章”の意味を持つミニアルバム『Act 2』は9月13日(水)にリリース。なお、RIKAKO AIDA LIVE TOUR 2023『Act 2』は、10月13日(金)愛知・名古屋ボトムラインを皮切りに、10月15日(日)大阪・松下IMPホール、10月22日(日)東京・豊洲PITにて開催予定。(Text:逆井マリ / Photo:高田梓)

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