台風から遠いのに…竜巻発生のワケ “対流活動”活発で積乱雲発生か【気象予報士解説】

8月15日午前、静岡市内で発生した竜巻。その原因について、田中健太郎予報士の解説です。

【動画】台風から遠いのに…竜巻発生のワケ “対流活動”活発で積乱雲発生か【気象予報士解説】

<田中健太郎気象予報士>
安倍川で竜巻が発生した15日午前10時45分頃の雨雲レーダーの様子です。この時間は台風が近畿地方を北上していました。この台風の中心付近で活発な雨雲が広がっていたのですが、静岡県に注目すると、この中心付近の雨雲よりも強い活発な雨雲が静岡市付近に発生していたことがわかります。こういった活発な雨雲、積乱雲があると、竜巻が発生します。

<滝澤悠希キャスター>
では、なぜ、台風から離れたところで活発な積乱雲が発生したのでしょうか?

<田中健太郎気象予報士>
原因は2つあります。1つ目は、台風に向かって吹く暖かく湿った南風です。この南風が静岡県西部、中部の山沿いにぶつかり、積乱雲が発達しました。もう1つは、冷たい空気・寒気です。台風の東側から北東側の地域では、台風本体の暖かい空気と冷たい空気がぶつかりやすいエリアなんです。

上空に冷たい空気・寒気が入ってきていると、冷たい空気は重たいので下に向かいます。暖かい空気は軽いので上へ向かいます。対流活動が活発になり、積乱雲が発生、そして、竜巻が発生したとみられます。今回は被害のエリアが広かったということで、こういった竜巻がいくつも起こってしまった可能性があります。

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