モアイの島の芸術祭で富山発舞踊 秋田弁のチェーホフも上演

9日、イースター島で開催された芸術祭で富山の民謡を上演する舞踊団「可西舞踊研究所」の団員ら

 富山県高岡市を拠点に活動する舞踊団「可西舞踊研究所」がこのほど、モアイ像で知られる絶海の孤島イースター島での公演を成功させた。団員らは帰国後の取材に「観客と一体になれた」と手応えを語った。

 5~14日の日程で渡航し、現地で開催された芸術祭に出演。富山の「おわら」や鹿児島の「知覧節」といった日本民謡を上演。出演した松下美規さん(45)は「自然と観客から手拍子が起こり、心が通じ合う感覚があった」と話した。

 富山市のアマチュア劇団「文芸座」も同行し、ロシアの劇作家チェーホフ原作の喜劇を秋田弁に翻案した「結婚の申し込み」を上演。外国で公演する際は舞台脇にスクリーンを置いて字幕のように翻訳を流すこともあるが、今回はあえてしなかった。団員の舟本幸人さん(64)によると、それでもあちらこちらで笑いが起きたという。

 新型コロナウイルス禍で打撃を受けた観光業を立て直そうと、海外公演の実績が豊富な2団体を地元自治体が招待した。会場には数百人が詰めかけ、立ち見も出るほどの盛況ぶりだった。

9日、イースター島で開催された芸術祭で演技する舟本幸人さん(中央)ら

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