石川県内強風1人けが 台風吹き返し 北陸線特急の運行再開

傘を手に強風をこらえながら歩く人=16日午前8時15分、金沢市本町2丁目

  ●全国1位、羽咋で最大瞬間21.7メートル

 台風7号は15日夜から16日朝にかけて石川県内に最接近し、日本海を北上した。県内では朝にかけて吹き返しの風が強まり、羽咋では16日、全国で最も強い最大瞬間風速21.7メートルを記録。宝達志水町では80代女性が強風にあおられて転倒し、軽傷を負った。台風は県内から遠ざかっているものの、金沢地方気象台は強風や高波などの影響が残るとして注意を呼び掛けている。

 気象庁によると、16日正午までの最大瞬間風速は金沢が19.4メートルで全国4位、かほくが18.3メートルで6位などとなった。いずれも午前7時台に観測した。

 県などによると、午前8時ごろ、宝達志水町北川尻で傘を差して歩いていた80代女性が強風にあおられて転んだ。女性は右手をけがし、町立宝達志水病院に運ばれた。軽傷という。

 小松市八幡町では15日午後10時38分ごろ、建物外壁のトタンが強風で剥がれそうになっているのを住民が見つけ、消防隊員が応急措置を施した。

 加賀、輪島、津幡の3市町で15日に開設された避難所には最大で16人が身を寄せたが、いずれも16日正午までに閉鎖された。

 金沢市中央卸売市場によると、台風の影響で地元で水揚げされた魚介類を扱う二番競りが休みとなった。

 JR西日本金沢支社によると、16日午前はサンダーバードやしらさぎなど特急30本と普通列車16本が計画運休したが、関西・中京方面へ向かう特急は午前11時前に運行を再開した。

 島根県江津市から夫婦で金沢を旅行していた楢本浩一さん(77)は「15日に帰る予定だったが延泊した。ようやく帰れそうでほっとしている」と安堵の表情を浮かべた。

 小松空港発着便では羽田行きの1便が欠航した。白山白川郷ホワイトロードは有料区間の通行止めを解除した。

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