ハワイ火災、死者106人に 送電線から出火疑い強まる

山火事の被害を受けた米ハワイ・マウイ島ラハイナで、電線を補修する作業員=15日(ロイター=共同)

 【カフルイ(マウイ島)共同】米ハワイ・マウイ島で起きた山火事で、マウイ郡当局は15日、106人の死亡が確認されたと発表した。被災地では捜索活動が続く中、目撃者の証言などから送電線が出火原因との疑いが次第に強まっている。強風にもかかわらず送電を停止しなかった電力会社に厳しい目が向けられている。

 バイデン大統領は15日「過去100年で最悪の山火事だ」と述べた。ホワイトハウスは16日、バイデン氏とジル夫人が21日に被災地を訪問すると発表した。

 AP通信や米紙ワシントン・ポストなどによると、壊滅的被害を受けた島西部のラハイナで山火事が発生したとされる8日夜明けごろ、木製の電柱が突然閃光を放って折れ、電線が乾燥した草の上に落ちて火の手が上がる様子が目撃された。

 火は8日午前9時(日本時間9日午前4時)までに消し止められたとみられたが、午後2時ごろに同じエリアで再び出火。山火事は複数箇所で発生した可能性があるものの、落雷などの自然現象により出火したことを示す記録はないという。

13日、避難所となっている教会のミサに参加、抱き合う人たち=米ハワイ・マウイ島カフルイ(Stephen Lam/サンフランシスコ・クロニクル提供、AP=共同)

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