病気、就業不能、地震…人生で起こりうるリスクをコントロールする3つの方法

人生、山あり谷ありですね。これはどなたにも当てはまることだと思います。人生は波瀾万丈。いったい何が起こるのか予測もできません。

嬉しいことばかりあるといいのですが、考えもしなかったトラブルに巻き込まれることや、不幸なことが起こることがあるかもしれません。しかし、悪いことが起こったとしても、リスクコントロールができていれば、被害を最小限にできたり、被害を回避したりすることができます。

今回は、日常生活におけるリスクコントロールと保険についてお話しましょう。


「転嫁」「保有」「軽減」の3つがある

リスクコントロールの方法は3つに分けられます。「リスクの転嫁」「リスクの軽減」「リスクの保有」です。この3つをうまく使い分けることで、リスク回避や被害を少なくすることができます。

具体例を出しながら、保険商品を使った賢いリスクコントロールを提案したいと思います。

死亡したときのリスクコントロールとは

子どもがいる家庭の場合、親にもしものことがあると、残された家族はとても困ります。親が会社員ならば、遺族基礎年金と遺族厚生年金の両方があるので、ある程度の公的保障があります。しかし、子どもの生活費、教育費を考えるととても足りません。子どもが2歳から独立するまでの生活費、そして私立文系大学まで通う教育費を考えると、公的保障だけでは子ども1人当たり約2000万円は足りない計算になります。これは、簡単に準備をすることは難しい金額です。

そこで親の死亡というリスクを移す、つまり「リスクの転嫁」が必要になります。死亡保険を使うことで、経済的なリスクを肩代わりしてもらうのです。

病気などのリスクコントロールとは

次に、病気になって入院や手術の場合を考えてみましょう。

病気になったときの治療費は、公的医療保険があるので、一般的に自己負担は3割です。さらに入院や手術をしたとしても、高額療養費制度があるので、自己負担額はそれほど多くはありません。年収約370万円~約770万円の方であれば、月額9万円前後です。9万円ならば、わざわざ保険(リスクの転嫁)に入らなくても、貯蓄(リスクの保有)で対応することもできるでしょう。

しかも、最近では入院する場合も短期間の入院が多く、長期で入院するケースはとても少ないのです。わざわざ医療保険に入らなくても、ある程度の貯蓄があればリスクに対応できます。また、食事に気を使ったり、定期的に運動をしたりすることも、病気になるリスクを減らすので「リスクの軽減」となるでしょう。

がんのリスクコントロールとは

では、がんの場合はどうでしょうか? がんも他の病気と同じく、公的医療保険と高額療養費制度があるので、治療費の負担は多くありません。しかし、治療が長期に渡り仕事を続けるのが難しくなり、収入が減ってしまう可能性があります。

この場合は、貯蓄だけでは対応できないこともあるので、がん保険などを利用して「リスクの転嫁」をしておくのがいいでしょう。さらに、がん検診を定期的に行うことが、がんの早期発見に繋がります。早期発見だと入院期間も短くなるので、治療費の負担が軽くなります。また、身体へのダメージも少なくなり、治療にかける時間も少なくなるでしょう。何よりも命の心配が少なくなります。定期的ながん検診は、「リスクの軽減」に繋がります。

がんなどには「リスクの軽減」と「リスクの転嫁」。病気に関しては「リスクの軽減」と「リスクの保有」で対応してみてはいかがでしょうか?

仕事ができなくなったときのリスクコントロールとは

病気やケガで仕事ができなくなったときには、困りますね。収入が減ってしまいます。しかし、会社員の場合は、健康保険に「傷病手当金」があり、病気やケガにより4日以上連続で仕事を休んでも、給料(標準報酬月額平均額)の3分の2を受け取ることができます。ですので、すぐに困ることはありません。ただ住宅ローンなどがあり、毎月の支払に余裕がない人には、困りますね。

さらに、自営業者やフリーランスの人には、「傷病手当金」はありませんから、働けないと収入がなくなってとても困ります。そういう場合には、「就業不能保険」を使って「リスクの転嫁」を考えましょう。

地震のリスクコントロールとは

「地震保険」も同じです。日本に住んでいれば、地震は必ず起きるといって間違いありません。しかし、いつ起こるのかは予測できません。

もし地震が起こったときでも、備えをしっかりしておくことが「リスクの軽減」です。地盤の固いところに住むことも「リスクの軽減」ですね。地震が起こったとしても、そこから立ち直るために「地震保険」に加入するのは、「リスクの転嫁」になります。

本来の保険の使い方とは

保険は、リスクコントロールの「リスクの転嫁」という役割を持っています。自分では抱えきれないほどの経済的損失がある場合には、この「リスクの転嫁」を使うのがとても有効です。この使い方が、本来の保険の使い方なのです。

「死亡保険」「医療保険」「がん保険」「就業不能保険」「介護保険」「火災保険」「地震保険」などすべての保険選びに、このリスクコントロールの考え方を当てはめることができます。

一度、自分の人生のリスクを「転嫁」「保有」「軽減」に当てはめながら考えてみてはいかがでしょうか? そうすると、自分に必要な保険がわかってきます。

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